鑑賞記録(2022.6.4)ジャック・リヴェット映画祭!!ジャック・リヴェット監督『ノロワ』1976@Cinema Kobe

鑑賞記録(2022.6.4)

ジャック・リヴェット映画祭!!

ジャック・リヴェット監督

ノロワ』1976

@Cinema Kobe

 

『ノロワ』1976/135分/フランス/カラー

日本劇場初公開

『デュエル』と同様、対決するふたりの女性を描く本作は4部作<火の娘たち>(※ジェラール・ド・ネルヴァルの小説に着想。ラブストーリー、犯罪劇、西部劇、ミュージカル・コメディ)の2作目であり西部劇として作られたが、リヴェットの魔術にかかれば時代やジャンルを問わない作品へと変貌する。ブルターニュ沿岸の12世紀の要塞と17世紀に再建された城といった壮観なロケーションで繰り広げられる物語の中で虚構と現実がぶつかり合い、死の舞踏が振り付けられてゆく。構想された4部作は本作を最後に未完のまま幕を閉じるが、リヴェットが誘う奇妙な酩酊に満ちた世界はその後もさらに深化する。(デジタルリマスター版『ジャック・リヴェット映画祭』チラシより抜粋引用)

 

ジャック・リヴェット

1928年3月1日、フランス北部の都市ルーアンに生まれる。49年にパリのシネマテークでフランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、エリック・ロメールらに出会う。ロメールが主催するシネクラブ・デュ・カルティエ・ラタン発行の機関誌「ラ・ガゼット・デュ・シネマ」に携わるものの、「カイエ・デュ・シネマ」誌の創刊に合わせ同誌は廃刊、以後「カイエ」誌にて多くの優れた映画批評を執筆。63年から3年間に渡って「カイエ」誌の編集長を務めている。映画監督としては49年に初の短編を、そして56年にはクロード・シャブロル製作で『王手飛車取り』を発表。60年に『パリはわれらのもの』で長編映画デビュー。以降、内容が反宗教的と判断され一時上映禁止となったアンナ・カリーナ主演の『修道女』(66)や12時間を超える長尺『アウト・ワン』(71)など話題作を手がける。今回上映される『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(74)をはじめとした5作は、ヌーヴェルヴァーグの作家たちの中でも極めて個性的だったリヴェットが最も精力的に活動していた中期の作品群にあたる。その後も『地に堕ちた愛』(84)、『彼女たちの舞台』(89)など傑作を連発、中でも第44回カンヌ国際映画祭で審査員グランプリを受賞した『美しき諍い女』(91)は日本でも多くの観客を集めた。2000年代に入っても創作意欲は衰えず、『恋ごころ』(01)、『ランジェ公爵夫人』(07)など瑞々しい感性を見せるも、2016年1月29日、パリにて死去。87歳没。(デジタルリマスター版『ジャック・リヴェット映画祭』チラシより)

 

ジャック・リヴェット映画祭 上映5作品

『セリーヌとジュリーは舟でゆく』1974年

『デュエル』          1976年

ノロワ           1976年(←今回はこちらを鑑賞)

『メリー・ゴー・ラウンド』   1981年

『北の橋』           1981年

 

原題

Noroît

(フランス語の翻訳アプリでは、”北西からの強風” の意味となっていた)

 

一言あらすじ

女海賊モラグは弟の仇を討つために孤島の城を占拠する海賊団のリーダー、ジュリアに復讐を誓う。(デジタルリマスター版『ジャック・リヴェット映画祭』チラシより)

 

感想

『デュエル』に続き、

本作も立て続けに鑑賞。

 

 

『デュエル』でもそうだったが

 

着想を得たのが

 

19世紀に活躍した

フランスのロマン主義詩人

 

ジェラール・ド・ネルヴィルの小説

ということで

 

 

私は原作を読んでいないが、

 

 

詩的な文体を多く含むのか、

 

台詞として

詩の引用??かと思われるもの多し。

 

 

 

本作は

『デュエル』とはまた打って変った雰囲気。

 

 

 

”第1幕 2、3場”

みたいな演劇的な表現がなされ、

 

 

お話自体はちょっと中世??

を思わせる復讐劇。

 

 

 

冒頭で

復讐を宣言するところから始まるので

 

 

想定通りに進めば、

 

お話もその宣言通りになるんだろうと

観ているこちらも分かることから

 

ある種のネタばれが先にあり、

 

お話が順を追って展開する。

 

 

 

衣装は、

現代的な色鮮やかな衣装と

 

ちょっと時代を感じられるような

衣装がミックスしている感じなので

 

あまり時代設定は

特定できないことから

 

ジャック・リヴェット監督の

おとぎ話のひとつであると

認識する。

 

 

 

音楽は

『デュエル』の時と同様、

演奏者が画面に映り込んで演奏。

 

 

 

結構私は好きだな、

この生演奏的使い方。

 

 

 

たまに気になることあるけど、

 

発想として、

そして音の響き方として

 

好きな感じ。

 

 

 

正直、お話の展開は

 

どんでん返しがなければ

オチが見えているので

 

やや退屈に感じてしまう部分もあるが

 

 

演出はまたかなり

監督の独自的な撮り方をしていて

 

 

途中にモノクロームや

赤い画面になったり等、

 

色々遊び心がある。

 

 

 

サイレント時代の映画や

ヌーヴェル・ヴァーグの作品を観ると

 

本当に映画って自由なんだな~

 

 

なんて思いながら

楽しませてもらってます。

 

 

 

また来週、

2作品が上映なので

楽しみにしています。

 

 

(2022年6月5本目。本年度191本目、映画館81本目)

 

 

スタッフ

監督:ジャック・リヴェット

脚本:エデュアルド・デ・グレゴリオ、マリル・パロリーニ、ジャック・リヴェット

台詞:エデュアルド・デ・グレゴリオ、マリル・パロリーニ

撮影:ウィリアム・リュプチャンスキー

編集:ニコール・ルブシャンスキー

製作:ステファン・チャルガジエフ

製作総指揮:マルセル・モーレット

 

キャスト

ジェラルディン・チャップリン

ベルナデット・ラフォン

キカ・マーカム