鑑賞記録(2022.2.15)作品毎に独自の撮り方と世界観!カール・テオドア・ドライヤー監督『奇跡』1954 @元町映画館

鑑賞記録(2022.2.15)

作品毎に独自の撮り方と世界観

カール・テオドア・ドライヤー監督

『奇跡』1954

@元町映画館

 

(↑今回のチラシ)

 

 

”奇跡の映画 

カール・テオドア・ドライヤーセレクション”

にて、上映4作品

 

『裁かるゝジャンヌ』『怒りの日』『奇跡』『ゲアトルーズ』

 

19世紀末にデンマークで生まれ、常に独創的で革新的な作品を生み出しながら、一貫して人間、特に女性の心の真髄をフィルムで捉え続けた孤高の映画作家カール・テオドア・ドライヤー。ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、イングマール・ベルイマンなどの巨匠たちからアルノー・デプシャン、ギャスパー・ノエといった現代の先鋭たちにまで多大な影響を与え世代を超え敬愛されています。79年の生涯で長編14作品を発表、モノクロームの世界を巧みに操り、新たな映画芸術の可能性を示し続けました。今回は、ゴダールが『女と男のいる舗道』で引用したことでも有名な『裁かるゝジャンヌ』と後期3作品がデジタルリマスタリングされ、スクリーンに甦ります。(チラシより抜粋)

 

 

前売り券を事前にゲットしておいたので

お得に鑑賞(4回券4000円)

ポストカードもらいました。

 

 

今回は、

『奇跡』を鑑賞。

(鑑賞2作品目)

 

 

 

『奇跡』1954/126分/デンマーク(デンマーク語)/モノクロ・スタンダード・2Kレストア

原題

Ordet

受賞

ヴェネチア国際映画祭(1955)

金獅子賞

ゴールデン・グローブ賞(1956)

最優秀外国語映画賞

 

一言あらすじ

農場を営むボーオン一家の二男ヨハンネス(プレベン・レアドーフ・リュエ)は、精神を病み朦朧と、まるで自分をキリストの如く振る舞う。そんな日常の中、長男の妊娠中の妻インガー(ビアギッテ・フェザースピル)の体調が急変し・・・

 

感想

本当は、

製作された古い順に鑑賞したかったが、

スケジュールの都合上無理なので、

 

 

『怒りの日』(1943)より

『奇跡』(1954)を先に鑑賞。

 

 

昨日観た

『裁かるゝジャンヌ』

もそうだが、

 

 

宗教観が強い。

 

 

 

日本では

あまり馴染みがないかもしれないが

世界について知る時に

宗教のことは外せないだろうし、

 

 

実際映画を見ていても

宗教に関することはよく出てくる。

 

 

 

 

価値観の創造に

大きな影響を与えますしね。

 

 

 

私は全然詳しく知らないから、

今後少しずつ学んで

ある程度知識として入れておきたいところ。

 

 

 

 

カール・テオドア・ドライヤーは

生い立ちから苦労しているようで、

 

幼いころの記憶や生活は

人格形成や価値観に

大きな影響を与えているだろう。

 

 

 

撮り方は、

『裁かるゝジャンヌ』の時の

アップの多用などはなく

また違った撮り方をしている。

 

 

 

わぉ~!と唸ったのは、

二つの場面が同じ時間軸であると

分か(らせ)るシーン。

 

 

 

順々にカメラが移動しながら

人々の様子を捉え、

数人の顔のショットを映し

一旦そのシーンは終わる。

 

 

その後、別のシーンがあって、

続いて

先程一旦終わったシーンの所

(数人の顔のショット)

が再度映り、

 

先に移動した流れと、

逆にカメラが動いていく。

 

 

超簡単にいうと、

右から左に撮って、

左から右に撮っただけだが、

 

間に別のシーンを入れると、

その別のシーンと、

先のシーンが

時間軸が同じ時間帯にあった出来事

と理解できる。

 

 

このような撮り方、

あまり見たことがない手法

(気付いてないだけかもしれないが)

だと思ったので、なるほどです!w

 

 

編集まで監督本人が行う

こだわりが感じられます。

 

 

 

個人的に気になったのは、

 

登場人物たちが、

あえてと言って良いくらい、

結構目線を合わせないで会話する。

 

 

牧師さんくらいだったかな?

目線普通なの。

 

 

かと言って、

ずっと合わせないんじゃなく

ポイントポイントでは

合わせる。

 

 

 

これにも何か意味があるのかな??

 

 

 

今はちょっとピンとこないが、

これだけ緻密に計算する監督が

理由もなしにやるわけないから

何かしらあるのだろう。

 

 

 

普通に目線合わせないくらいなら

当たり前だけど、

 

目につくようなものだったから

気になった。

 

そこから目線が合うと

ものすごい感情と自然さが

逆に感じられはするが。

 

 

答えはわかりません・・・笑

 

 

あと全体通して、

人物がかなりゆっくりな動きでもある。

 

 

走るところもなかったはず・・・・

 

 

ラストは、

なんとなく題名から予想した展開。

 

 

しかし、とにかく

カール・テオドア・ドライヤー

映画の力が強い。

 

 

感動して、鑑賞後

思わずパンフレットを購入。

 

(↓素敵なパンフレット。800円也)

 

 

 

パラパラとはチラ見したが、

先に読んじゃうと

解説のイメージで映画を観ちゃうだろうから

 

なるべく固定観念なく観たいので

4作品全部観てから、

じっくり読もうと思う。

 

 

読んだら感想

変わるかもしれませんねww

 

(2022年2月16本目。本年度53本目、劇場13本目)

 

 

スタッフ

監督・脚本・編集:カール・テオドア・ドライヤー

原作:カイ・ムンク『御言葉』

撮影:ヘニング・ベントセン

舞台美術:エーリック・オース

 

キャスト

モーテン・ボーオン:ヘンリック・マルベア

ミッケル・ボーオン:エーミール・ハス・クリステンセン

インガー・ボーオン:ビアギッテ・フェザースピル

ヨハンネス・ボーオン:プレベン・レアドーフ・リュエ

アナス・ボーオン:カイ・クリスティアンセン

ペーター・ペーターセン:アイナー・フェザースピル

アンネ・ペーターセン:ゲアダ・ニールセン