(写真は佐田啓二さんと桂木洋子さんだが、二人が主演じゃなかった!)
鑑賞記録(2022.3.17)
黒澤明 脚本 & 木下惠介監督
『肖像』1948
『肖像』1948/73分/日本/モノクロ
盟友・黒澤明監督が、木下惠介監督のために書き下ろした脚本を映画化。その後、再び木下監督&黒澤脚本で時代劇大作『落城』が企画されたが残念ながら実現に至らなかった。(松竹 作品情報より引用一部抜粋)
黒澤&木下監督のタッグは、本作が最初で最後となった。
一言あらすじ
貧しい画家・野村(菅井一郎)一家と、その家の一間に越してきた家の持ち主の妾・ミドリ(井川邦子)が、彼らの生活や、自身の肖像画を通して、自分とのギャップに葛藤しながらも、本当の生き方を模索する・・・
感想
黒澤明監督と
木下惠介監督が
コラボレーション!!
そしてここでも
三宅邦子さんが
やはり美しい。大好きです。
お話は、
黒澤監督お得意?の
人間の内面の葛藤が描かれています。
監督は木下監督なので、
木下流のユーモアも。
いつも?黒澤監督の
主人公が葛藤するのは、
人間の尊い部分かもしれない。
本作は、
妾として暮らしてきた
若い女性ミドリが
貧しくも楽しく暮らす一家を間近で見て、
自分が嫌になり、
そこから自分の人生を見つめ直すというもの。
見たくないものから逃げたくなる気持ち、
でも、本当は、変わりたいという気持ち
誰にでも起こりうる葛藤が描かれます。
ちょいとネタばれですが・・・
終盤の、
展覧会からのくだり、
ミドリの後ろ姿の影が素晴らしい。
(肖像画を思わせるシーン)
超~個人的な
勝手な意見を言えば、
ミドリさん、
階段を上がり全身の影がみえるところで
一旦静止して、
立ち止まってほしかった。www
(これは演出ですが・・・)
まぁサラッと行っちゃうのも
おしつけがましくなくて
いいのかもしれませんが。www
野村画家が描いた肖像画に対し、
「嘘は書かなかったつもりだ」と言う。
本当の姿を見極めて教えてくれた画家です。
そのことが、
ミドリの今後の人生を
大きく変えることとなる・・・
黒澤明監督は、元々画家志望。
この一作に、
思い入れもあったのではないでしょうか?
(2022年3月24本目。本年度95本目)
スタッフ
監督:木下惠介
脚本:黒澤明
製作:小倉武志 撮影:楠田浩之 音楽:木下忠司 美術:小島基司 調音:大野久男 録音:佐々木秀孝
照明:豊島良三 編輯:杉原よ志 現像:中原義雄 焼付:関口良郎 装置:台松太郎 装飾:守谷節太郎
工作:三井定義 衣裳:林榮吉 結髪:細井栄子 床山:吉澤金五郎 スクリプト:岡田敬造
普通写真:篠崎尚勝 撮影事務:生田進啓 通行担当:山吉鴻作
配給:松竹
他
キャスト
ミドリ:井川邦子
久美子:三宅邦子
芳子:三浦光子
野村:菅井一郎(東宝)
細君:東山千栄子(俳優座)
金子:小澤栄太郎
玉井:藤原釜足(東宝)
中島:佐田啓二
陽子:桂木洋子(松竹歌劇団)
一郎:安部徹
牛車曵:山路義人
他