鑑賞記録(2022.8.25)オキナワンダーランド〜映画で発見する沖縄〜 吉野二郎監督『執念の毒蛇』1932@元町映画館  

鑑賞記録(2022.8.25)

特集上映

オキナワンダーランド

〜映画で発見する沖縄〜

 

吉野二郎監督

執念の毒蛇』1932

@元町映画館

 

 

特集上映『オキナワンダーランド~映画で発見する沖縄』

(2022年)8/21に元町映画館は12周年を迎えます。

恒例の周年企画として今年は沖縄の本土復帰50年を受け、沖縄の映画を集めた特集上映『オキナワンダーランド~映画で発見する沖縄』を開催します。(元町映画館公式サイトより)

 

本作は、上記の特集上映の中の1作として

 

 

『執念の毒蛇』(しゅうねんのどくじゃ)1932/71分/日本/モノクロ/活弁、音声ありバージョン

(本部町出身の)ハワイ移民である渡口政善が製作し脚本と主演も務めた。現存する最も古い沖縄の劇映画。当時の風俗を残す貴重な映像でもある。

オリジナルは無声だが、2017年に本作を収蔵する沖縄県立博物館・美術館の美術館10周年事業として29年ぶりに弁士、伴奏付きで上映された際の音声を組み合わせたバージョンを上映。

(↑『オキナワンダーランド〜映画で発見する沖縄〜』チラシより )

実話を基にしたとされているが、夫に殺された妻がたたる物語は逆立ち幽霊の怪談の影響も感じられる。女の執念が蛇となって現れるところは組踊「執心鐘入」の基となった道成寺伝説にも通じる。

88年には沖縄芝居役者の北村三郎が弁士を務めて琉球新報ホールで上映された。今回は北村の息子で役者の高宮城実人が弁士を務めた。弁士の台本は内務省の検閲に提出されたものが残っている。今回はそれに北村と高宮城が補作したものを用いた。高宮城が弁士に挑戦するのは初めて。講談や新派(明治30年代に確立した家庭悲劇、花柳物を主とする演劇)の調子を参考に演じ、昭和初期の沖縄へいざなった。

冒頭で平良がハワイ移民によって作られた「ホレホレ節」を歌い、幽霊が現れる場面では笛などの不穏な音色で盛り上げた。鑑賞した演劇評論家の与那覇晶子さんは「これほど辻の内部を撮った映像はほかにない。とても貴重だ。じゅりと客が互いに芸を見せる場だったこともよく捉えている」と評価した。

高宮城はじゅりたちのからじ(髪)結いにも注目する。例えば、古典舞踊「四つ竹」を踊るときは通常、「カムロ」という結い方にするが、映画の中のじゅりたちはそうしていない。また、「四つ竹」を踊る場面では大太鼓を連打する不自然な演奏をしているが、「普段太鼓を打っていない人にとりあえずやらせたのではないか」と指摘した。じゅりが「芳丸」という大和風の名前になっているのは渡口か県外出身の吉野監督の趣向とみられる。

(↑琉球新報デジタル版2017年11月15日より)

 

一言あらすじ

ハワイ移民の大城政一は、ハンセン病になった妻・君子を捨てて沖縄に帰ってしまう。なんとか政一を追って沖縄にやってきた君子は、彼と再会を果たすが・・・

 

感想

先日元町映画館で観た、

サイレントフィルムライブで

 

鳥飼りょうさんと

元町映画館支配人さんのお話で

 

本作の紹介があり、

 

 

それは一度観ておこう!と鑑賞。

 

 

サイレント映画の字幕が入りながら、

2017年に付けられたという活弁と音楽が入り

 

その活弁がご紹介の通り、

沖縄の発音や言葉もあって

 

独特の雰囲気です。

 

 

 

その地方の世界観を表すのに、

 

地元の方がその土地の言葉を使うのは

 

素晴らしいことですね。

 

 

情緒たっぷりです!!

 

 

 

冒頭に、

 

監督と主役、撮影の方の

”私たちが撮りました”みたいな

紹介映像?が入っており、

 

 

ちょっと面白い作りから

始まりますww

 

 

 

お話は、

 

 

昔話と怪談をミックスしたような

感じですが、

 

実話を基にしているとのことで、

 

 

病気になった妻を差し置いて

本土に引き上げてきた男がいた

 

という辺りは

本当にありそうなお話ですね。

 

(どこまで実話かは知りませんが、オチまでかな!?)

 

 

 

前のくだりで

 

夫婦ふたりが散々イチャついていて

おしどり夫婦だと思って観ていたので

 

 

ある意味そこが

一番ビックリでしたが!ww

 

 

誠実そうに見せかけて、、、

まぁ、なんて男!!!笑

 

 

 

あと、場所が

ハワイと沖縄のお話ですが、

 

 

野良仕事の後に

シャツとネクタイを締めて

昼飯を食べていたり、

 

 

ハワイの設定だけど、

なぜが外套を着ていたりと

(夫婦の元使用人?が着用)

 

外国感?を出したかったのかな〜〜??

 

 

と、ちょっとおかしな

ツッコミどころもありますが、ww

 

 

沖縄の歌と踊りなんかも入り

文化的なものも伺えます。

 

 

ハワイに移住というのも

 

その後の

戦争へ突入していく歴史を考えると

勝手にドキリとしました。

 

 

 

こうした歴史的にも貴重な作品を

鑑賞できるのは

凄いことですね。

 

 

またいつもとは違った感覚で

楽しむことができました。

 

 

(2022年8月36本目。本年度305本目、映画館158本目)

 

スタッフ・キャスト

監督:吉野次郎

脚本・製作・主演:渡口政善

弁士:高宮城実人

キーボード:新垣雄

バイオリン:與那嶺理香

歌三線・笛:平良大

箏・太鼓:仲大千咲

提供:沖縄県立博物館・美術館