鑑賞記録(2022.5.30)
山中貞雄監督
『丹下左膳餘話 百萬两の壺』1935
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『丹下左膳餘話 百萬两の壺』1935/92分/日本/モノクロ
(たんげさぜんよわ ひゃくまんりょうのつぼ)
それまで丹下左膳の映画を撮っていた伊藤大輔監督が1934年(昭和9年)9月に日活を退社したため、三部作の予定だったトーキー版『丹下左膳』の最終作「尺取横町の巻」が宙に浮いてしまった。そこで急きょ山中に作らせることになったという。
山中は伊藤作品の丹下左膳をパロディ化したスティーヴン・ ロバーツ監督のアメリカ映画『歓呼の涯』(1932年)をベースにモダンな明るい作風を目指し、お藤役に歌手の喜代三を登用、屑屋役の高勢実乗、鳥羽陽之助コンビでコミカルさを加えるなど独自の演出を施すほか、伊藤作品における虚無的な左膳のイメージを廃して根っからの好人物に変え、大河内傳次郎の喜劇俳優の才能を見事に引きだしている。音楽もムソルグスキーの『禿山の一夜』などのクラシックを採用するなど洗練度を強めている。だが、「丹下左膳のイメージに合わない」と、原作者の林不忘側から抗議を受けている。※
山中作品のうち現存する3作品の中で最も古いものであるが、残っているのは戦後公開版で、どこまでがオリジナルであるかは定かでない部分もあり、GHQによる検閲でチャンバラの場面などが削除されたと見られている。(ウィキペディアより)
※ 1935年の映画、山中貞雄監督の『百万両の壷』はホームドラマ風の作品で、不忘が試写を見た後で「この作品はわたしのつくりだした丹下左膳とはまったく違う。別物だ」と日活に猛抗議し、このため題名が『丹下左膳余話』となり、原作者もクレジットされないものとなった。(ウィキペディアより)
一言あらすじ
柳生家から婿養子に出た弟・源三郎(沢村国太郎)に持たせた古ぼけた壺が、実は、百万両の隠し場所が塗り込められた”こけ猿の壺”であったことを知った兄・柳生対馬守(阪東勝太郎)は、なんとか壺を取り戻そうと、使者を源三郎の元に送るが・・・
感想
山中貞雄監督
初鑑賞。
独特な面白い作りで
個性を感じる。
この時代に
活躍した監督達は
皆、それぞれに
監督特有の撮り方がある。
(監督によって違うのは当たり前だが、
この時代、個性が強い気がする)
それは、
名を残した名匠達だからなのか、
時代もあるのかわからないが。
小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男、
清水宏、黒澤明、三隅研二など・・・
それぞれに何かしらの特徴があり
独特の工夫がなされている気がする。
本作のお話は、コメディ。
ストーリーも演出も
がっつりコメディーです!ww
振っといて、からの~!
っていうベタな展開が面白いww
丹下左膳も
勝手に想像していた
キャラクターとは違い
かなりコメディなキャラクターに
なってました。
しかし、これは
丹下左膳をパロディ化した
スティーヴン・ ロバーツ監督の方をベースに
山中監督が
作り上げたものだったんですね。
なるほど~。
私は、
最初に丹下左膳をシリーズで撮った
伊藤大輔監督の作品の方を
観ていないので
差がわかりませんが、
元々どんな風だったのか気になります。
(原作者も本作の、
この丹下左膳は違う!って言うてますしね)
ぜひ、機会があれば観たいです!
本作は
気軽に楽しめる娯楽的要素が多く
内容としては
子どもから大人まで楽しめそうです。
私の知人は
邦画ベスト1位って言っていました。
やっぱり昔の作品は
何かしら学ぶことが多いように思うので
たくさん観たいと改めて思いますね。
(2022年5月39本目。本年度184本目)
スタッフ
監督 ・構成: 山中貞雄
原作 : 林不忘(クレジットなし)
脚色 : 三村伸太郎 潤色 : 三神三太郎
字幕 : 岡本一鳳
撮影 : 安本淳 照明 : 井上栄太郎
装置 : 島康平 背景 : 角井嘉一郎
録音 : 中村敏夫 音響 : 池内泰三
編集 : 福田利三郎 衣裳 : 稲次招
美粧 : 三浦源次郎 結髪 : 新橋 川端ソヨ
音楽 : 西梧郎 剣導 : 尾上緑郎
助監督 : 萩原遼 記録 : 安田公義
撮影助手 : 近藤憲照、福島宏、中西公弘、西原英一郎、竹村三郎
装置助手 : 織田金蔵、吉田儀一 録音助手 : 福島威
他
キャスト
丹下左膳:大河内傳次郎
お藤:喜代三
ちょび安:宗春太郎
與吉:山本礼三郎
茂十:高勢実乗
当八:鳥羽陽之助
萩乃:花井蘭子
お久:深水藤子
柳生対馬守:阪東勝太郎
峰丹波:磯川勝彦
高大之進:鬼頭善一郎
七兵衛:清川荘司
おしゃかの文吉:高松文麿
矢場の女:伊村利江子、達美心子
柳生源三郎:沢村国太郎
他