鑑賞記録(2022.7.2)ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年記念上映!ピエル・パオロ・パゾリーニ監督『テオレマ 4Kスキャン版』(上映は2Kマスター)1968@元町映画館

鑑賞記録(2022.7.2)

ピエル・パオロ・パゾリーニ

生誕100年記念上映

 

ピエル・パオロ・パゾリーニ監督

テオレマ 4Kスキャン版

(上映は2Kマスター)

 

1968@元町映画館

 

 

 

事前に

『テオレマ』『王女メディア』

2作品鑑賞前売り券(2200円)を購入したら、

ポストカード貰いました。

(↑左端は前売り券、事前に写真撮り忘れて、

今回の分が使用済みになってます)

 

 

『テオレマ 4Kスキャン版』(※上映は4K素材から制作された2Kマスター)1968/99分/イタリア/カラー/1:1.85 ビスタ

詩人・作家・映画監督として活躍したイタリアの異才ピエル・パオロ・パゾリーニが、ブルジョワ一家が謎の訪問者によって狂わされていく姿を描いた異色ドラマ。(映画.comより)

ヴェネチア国際映画祭で最優秀女優賞(ラウラ・ベッティ)と同時に国際カトリック映画事務局賞を受賞したことで、イタリア・カトリック界の物議を醸し、猥褻(わいせつ)罪に問われて裁判に発展。その後、パゾリーニは無罪となり、裁判沙汰も手伝って映画は大ヒット。パゾリーニ自身が”天使と悪魔の間にいる、あいまいな人物”と語る《訪問者》の解釈をめぐって大論争となりました。(本作チラシより)

 

受賞

ヴェネチア国際映画祭(第29回、1968年)

ボルピ杯(最優秀女優賞):ラウラ・ベッティ

国際カトリック映画事務局賞

 

原題

Teorema

(「定理・定式」の意)

 

一言あらすじ

ミラノ郊外に住む、ブルジョワ一家にひとりの青年がやってきた。家族は皆、彼の謎めいた魅力の虜になっていくが・・・

 

感想

ピエル・パオロ・パゾリーニ監督

初鑑賞。

 

 

随分前からの

映画館での予告編で

 

気になっていたので

やっとの鑑賞。

 

 

 

お話の

テレンス・スタンプ演じる

謎めいた青年の役どころが

面白い。

 

 

 

一家まるごと虜にするという

やり手なのだが、

 

 

優しく落ち着いた雰囲気と

どこか影のある眼差し、

 

まるごと包みこんでくれそうな

包容力ある存在感。

 

何かに囚われることがないような

どこか自由さも感じさせる。

 

 

少し、人間離れしているというか・・・

 

 

 

一見、策略のような悪意は

感じ取れないが、

 

本当のところは分からない。

 

 

 

人間臭さがないだけに、

そういった思惑的なものよりも

 

”天界の住人の気まぐれなイタズラ”

とでも感じさせるような

彼の存在だった。

 

 

 

しかし、

その先に待ち受けるものは・・・・

 

 

 

一度蜜の味を味わった者たちは、

二度と元には

戻れなくなってしまう・・・

 

 

 

さっと現れて、

あっという間に虜にし、

さっと居なくなる・・・

 

 

 

 

残されたものたちは

彼に会う前に感じていなかった

 

自分の中にある欲求と

彼のいない喪失感で

 

狂い出す・・・・

 

 

 

青年が居なくなってからの

それぞれの狂っていく様子が

 

かなり独特に映し出され、

 

不思議な世界観で表現される。

 

 

 

砂漠の場面が

あんなシーンになるとは

思ってもいなかった・・・

 

 

 

音楽も詩的で

美しい。

 

 

昔の監督たちは

やはり独創的です。

 

 

だから今でもこうして

観られるんでしょうね。

 

 

(2022年7月3本目。本年度229本目、映画館102本目)

 

 

スタッフ

監督・脚本・原案:ピエル・パオロ・パリゾーニ

撮影:ジュゼッペ・ルッツォリーニ

編集:ニーノ・バラーリ

音楽:エンニオ・モリコーネ

製作:フランコ・ロッセリーニ、マノロ・ボロニーニ

 

キャスト

訪問者:テレンス・スタンプ

パオロ (主人):マッシモ・ジロッティ

ルチア (妻):シルヴァーナ・マンガーノ

オデッタ (娘):アンヌ・ヴィアゼムスキー

ピエトロ (息子):アレドレ・ホセ・クルス

エミリア (家政婦):ラウラ・ベッティ

配達人:ニネット・ダヴォリ