鑑賞記録(2022.10.13)ゲイソン・サヴァット監督『ドライビング・バニー』2021@シネ・リーブル神戸

鑑賞記録(2022.10.13)

ゲイソン・サヴァット監督

ドライビング・バニー

2021

@シネ・リーブル神戸

『ドライビング・バニー』2021/100分/ニュージーランド/シネスコ/5.1ch/カラー

ゲイソン・サヴァット監督、初の長編映画。

2021年、第20回トライベッカ映画祭で審査員特別賞を受賞。

エシー・デイヴィスとトーマシン・マッケンジーは『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』以来、2度目の共演

ゲイソン・サヴァット監督

ニュージーランド在住の中国人映画監督。1995年、カメラマンとしてキャリアをスタート。 2004年にテレビCMディレクターを経て、2009年、初の短編映画『Brave Donkey』(脚本:グレゴリー・キング)を監督。メルボルン、サウスバイサウスウエスト、BFIロンドン映画祭、ロカルノ国際映画祭など、数々の映画祭で出品され賞賛された。 本作で長編映画デビューを果たし、トライベッカ映画祭審査員特別賞をはじめ、世界各国の映画祭で絶賛された。公式サイトより)

原題

The Justice of Bunny King

(日本語訳:バニー・キングの正義)

 

あらすじ

ある事情から、妹夫婦の家に居候中のバニー(エシー・デイヴィス)。娘とは監視付きの面会交流しかできない。それでも、明るい笑顔と気の利いたトークで車の窓拭きをして必死に働いている。夢は娘の誕生日までに新居へ引っ越し、家族水入らずの生活を再開させること。そんなある日、妹の新しい夫ビーバン(エロール・シャンド)が継娘のトーニャ(トーマシン・マッケンジー)に言い寄る光景を目撃。カッとなったバニーはビーバンに立ち向かうも、家を叩き出されてしまう。 「家なし、金なし、仕事なし」運の尽きたバニーは救い出したトーニャと共に、ルールもモラルも完全無視の“子ども奪還作戦”に突っ走るー。公式サイト”ストーリー”より)

 

感想

エシー・デイヴィス演じる

バニーは

 

家なし、金なし、仕事なし!!

 

 

 

そんな彼女が

離れて暮らす子供のために

 

ぶっ飛びブチギレつつも

彼女なりに奮闘する姿を描く。

 

 

 

ロードムービーとの紹介だが、

 

 

いわゆる旅が

メインの映画ではない・・・

 

 

 

以下、ネタバレ含みます・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女が今に至るには、

もちろん過去があってのこと。

 

 

 

あまり詳しく描かれないが、

 

彼女は夫の殺人容疑

服役していた。

 

 

 

殺害に至った理由は

夫が子供に暴力を振るっていた様な?

ことがあったらしい。

 

 

 

そんな経緯があり

現在子供達は保護され

里子に出されています。

 

 

 

愛する子供と離れて暮らすバニー。

 

 

 

彼女が子供達と暮らすためには

まず家族で暮らす家が必要。

(家庭支援局の審査が常に入る)

 

 

 

しかし、

家を見つけるにも

仕事がないからお金もない。

 

 

 

信号待ちしている車の窓ガラスを磨き

小銭を稼いでいる程度・・・

 

 

 

子供に会うにも

色々な規則があり、

 

バニーはしょっちゅう

その規則を破っている。

(無断で里親の所へ行ってはいけない、電話もNGなど・・)

 

 

 

 

家庭支援局に来るのは

貧困に苦しむ小さな子供を持つ親達。

 

 

 

貧困や犯罪、家庭環境など

多くの問題が同時多発的に発生する・・・

 

 

 

でもこれは、

負の連鎖で

 

どうしてもそれらは

繋がりやすくなってしまう。

 

 

 

とにかくバニーは

愛情たっぷりだが、

 

感情を抑えきれないことが多々あり

相当ぶっ飛んだことをしまくります・・・

 

 

 

まぁ理由もありますが、

 

 

その行動を見ると、

 

正直、、、

異常と言われても

やむ負えないレベル・・・爆

 

 

 

だけど、

彼女には彼女の正義があり、

そうなってしまっている所もあるが・・・

 

 

 

まぁ私だったら

到底できないし、しないけど・・・

 

 

 

それをやっちゃう、

やれちゃう?から

 

相当ヤバい所もあるけど、

 

必死に解決しようと行動して

 

しかしそれが裏目に出て、、、

 

 

を、繰り返していく・・・

 

 

 

 

気持ちで動いちゃうから

 

どうしてもその後の展開や状況を

考えることが後手に回る・・・

 

 

 

でも、

彼女の直感は

中々当たっているようで

 

やり方はマズいが

やっていることには正義がある。

 

 

 

熱く、激しく、あったかい。

 

 

 

ただただ

愛しい子供達と暮らしたい

 

 

そんなことすら許されない。

 

 

 

一度踏み外して

転落したら最後とでも言わんばかりに

 

 

すべてを奪い去られ

すべてを失いそうになりながら

 

 

他者に対する愛だけは

 

溢れている。

 

 

 

自分だって苦しいのに、

知らない貧しいママさんに

小銭をあげたり、

 

 

姪っ子を守ったり、

 

 

子供達はもちろん何より

愛している。

 

 

 

彼女のドキツい行動と

ブチギレ具合にちょっとビビりながらも

 

 

愛情深さに、ホロリ・・・

 

 

 

劇場でも

すすり泣きが・・・

 

 

 

ラストのその後、

決して好転することないであろう

現状・・・

 

 

 

今回の一件で、

もっと過酷な人生が

待ち受けているだろうが、

 

 

 

彼女は踏み倒されても

決してなくなることのない雑草の如く

 

 

しぶとくこの世の中に

食らいついて行くのでしょう。

 

 

それもこれも、

すべては愛する子供が居てこそ。

 

 

 

色々と考えさせられ、

ホロリと来る作品でした。

 

 

(2022年10月14本目。本年度367本目、映画館193本目)

 

 

スタッフ

監督:ゲイソン・サバット

製作:エマ・スレイド

原案:グレゴリー・デビッド・キング、ゲイソン・サバット、ソフィー・ヘンダーソン

脚本:ソフィー・ヘンダーソン、グレゴリー・デビッド・キング

撮影:ジニー・ローン

美術:ロージー・ガスリー

衣装:クリスティ・キャメロン

編集:クシュラ・ディロン

音楽:カール・スティーブン

 

キャスト

バニー・キング:エシー・デイヴィス

トーニャ:トーマシン・マッケンジー

ビーバン:エロール・シャンド

グレース:トニ・ポッター

アイリン:シャナ・タン

シャノン:アメリー・ベインズ

ルーベン:アンガス・スティーブンス

他