鑑賞記録(2022.7.12)
イ・スンウォン監督
『三姉妹』2020
@シネ・リーブル神戸
『三姉妹』2020/115分/韓国/カラー(一部モノクロ)/2.00:1/5.1ch
近年、『はちどり』『82年生まれ、キム・ジヨン』など韓国の厳格な家父長制度の下で、女性が生きていく生きづらさを描く秀作が次々生まれています。
本作は『オアシス』での体当たり演技が今も語り継がれる名俳優ムン・ソリがその脚本に感銘を受け、次女役で主演するとともに、「娘たちの世代が、暴力や嫌悪の時代を越えて、明るく堂々と笑いながら生きていける社会になるように…」との祈りを込めて共同プロデュースを買って出た、超弩級の人間ドラマです。
共演は、長女役にドラマ『愛の不時着』で北朝鮮の人民班長役を演じ、強い印象を残したキム・ソニョン。三女役には長年トップモデルとして第一線で活躍、2015年の韓国年間ベストの興収を記録した『ベテラン』で映画デビューを果たしミス・ボン役を好演したチャン・ユンジュ。
監督は、長女役キム・ソニョンの公私にわたるパートナーで、本作が長編第三作目となるイ・スンウォン。イ・チャンドン監督がその手腕を激賞する異才です。
(↑本作公式サイト、イントロダクションより)
原題
세자매
(英題:Three Sisters)
あらすじ
同じソウルに暮らしながらも、それぞれに問題を抱え、日々の生活に追われて疎遠になりがちな三姉妹が、久しぶりに年老いた父の誕生日会に集まった。その席上で彼女たちは蓋をしていた幼い頃からの心の傷に、真正面から向き合うことになる…。(本作公式サイト、イントロダクションより)
感想
ドきつい人間模様に
前半特に押されっぱなしで、
三姉妹のあまりの精神ギリギリ加減が
ちょっと引くほど
鮮烈に感じられた。
もちろんこれには
訳があるのだろうと思いつつ、
心が毛羽立ってくるような
ザワつきを感じ
更に
それを追い立てるように
カメラも終始、
手持ちカメラで撮られているのか
彼女らの心を見ているかの如く
落ち着くところがあまりない。
最初、私には
ちょっと観るのが
しんどくなりそうなほどだった・・・
しかし、
後半につれて、
段々それにも慣れてくるのか
はたまた韓国映画でよく見かける、
感情剥き出しの場面を
チラチラ見ていくことや
クスッと笑えるところもありで
最初はやや引いて観ていたのが
どんどん感情移入してくる・・・
感情を押し殺しているのも
爆発させるのも
いよいよ限界であることを
一緒になって体感する。
そうなってくると
もうこの映画に乗せられているww
最後には
グッときた・・・!!www
ラスト近くの、
ここぞという場面は
心情と共に
しっかりカメラも安定させていたりして、
唸りました。
散々、色々あったけど
晴れ渡る海が物語るように、
彼女たちの人生は
きっと続いていくのでしょう。
演者の皆さんも素晴らしかったです。
特に
次女ミヨンを演じた
ムン・ソリさん
とても好きな感じで
素晴らしかったです。
(2022年7月20本目。本年度246本目、映画館116本目)
スタッフ
監督・脚本:イ・スンウォン
撮影:チョ・ヨンチョン 音楽:パク・キホン
照明:チョ・デヨン 編集:ソン・ヨンジ
美術:チャン・ミヌ
製作:キム・サンス、ムン・ソリ
配給:ザジフィルムズ
他
キャスト
ミヨン(次女):ムン・ソリ
ヒスク(長女):キム・ソニョン
ミオク(三女):チャン・ユンジュ
ミヨンの夫:チョ・ハンチョル
ミオクの夫:ヒョン・ボンシク
他