鑑賞記録(2022.5.31)ルイス・ブニュエル監督特集上映『哀しみのトリスターナ』1970 U-NEXT

鑑賞記録(2022.5.31)

ルイス・ブニュエル監督特集上映

”男と女”

『哀しみのトリスターナ』

1970 U-NEXT

 

『哀しみのトリスターナ』1970/99分/スペイン・フランス・イタリア/カラー/ビスタ(1.66:1)

原作は、ベニト=ペレス・ガルドスの小説

ブニュエルにとっては『ビリディアナ』(61)以来、久々に(そして最後に)全編故国スペインで撮影されたスペイン語映画。そしてメキシコ時代の1952年に構想して以来、実現までに20年近くの歳月を要した作品である。『昼顔』に続いてヒロインを演じたドヌーヴは、本作をお気に入りの主演作の1本に挙げている。ブニュエルによれば、ヒッチコックは本作のトリスターナの義足に心底魅了されていたという。(【ルイス・ブニュエル監督特集上映 デジタルリマスター版 ”男と女”】チラシより一部抜粋)

 

【ルイス・ブニュエル監督特集上映 デジタルリマスター版 ”男と女”】作品リスト

 

『小間使いの日記』1964/97分/仏伊合作

『昼顔』             1967/100分/仏伊合作 

哀しみのトリスターナ』1970/99分/西仏伊合作(←今回の鑑賞作品)

『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』1972/102分/仏伊西合作

『自由への幻想』1974/104分/仏伊合作

『欲望のあいまいな対象』1977/103分/仏

 

(『昼顔』 『哀しみのトリスターナ』『自由への幻想』はU-NEXTでも鑑賞可能 ※2022年5月現在

 

ルイス・ブニュエル(スペイン語: Luis Buñuel, 1900年2月22日 – 1983年7月29日)

スペイン出身、のちにメキシコに帰化した映画監督、脚本家、俳優である。フランス、スペイン、アメリカ合衆国、メキシコ、国境を越えて多種多様な映画を撮った。特にシュルレアリスム作品とエロティシズムを描いた耽美的作品で有名である。キリスト教に関する作品もあり、物議を醸した。(ウィキペディアより)

1900年2月22日、スペインのテルエル県カランダに生まれる。マドリード大学時代の学寮生活で画家サルヴァドール・ダリや詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカら若き芸術家と出会う。25年、パリに移住。映画監督を志し、パリの演劇学校に入学。

29年、ダリと脚本共作で16分の短編映画『アンダルシアの犬』を監督。続いて初の長編映画『黄金時代』(30)を発表。カトリック主義や極右の激しい攻撃にさらされ、前作以上の醜聞を惹き起した結果上映禁止に。貧困地域ラス・ウルデスの住民の状況を描いた次作『糧なき土地』(33)も、スペイン政府により上映禁止処分を受ける。

スペイン内戦勃発後はフランス、アメリカ合衆国での親共和国派的プロパガンダ映画製作に協力した後、46年に映画製作者オスカル・ダンシヘールの誘いでメキシコに渡る。ダンシヘール製作の『忘れられた人々』(50)で、一躍世界的に有名なスペイン語圏監督となった。残りの生涯はメキシコで暮らし、この地で20本の映画を監督する。メキシコ映画産業の黄金時代が終わった後は、主にフランスで映画作りに従事。83年7月29日、メキシコ市の病院にて死去。最後の作品は『欲望のあいまいな対象』(77)。

(【ルイス・ブニュエル監督特集上映 デジタルリマスター版 ”男と女”】チラシより)

 

原題

Tristana

 

一言あらすじ

16歳で親を失ったトリスターナ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、老貴族のドン・ロペ(フェルナンド・レイ)の養女となる。若いトリスターナを、娘ではなく女としてみるようになるロペは・・・最初はロペの言うことを聞いていたトリスターナだが、次第に自我に目覚めはじめ・・・

 

感想

『昼顔』に続くヒロイン

カトリーヌ・ドヌーヴ。

 

 

そしてこの後に撮られる

 

『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(1972)

『欲望のあいまいな対象』(1977)

でも登場している

 

フェルナンド・レイが

 

貴族の欲望を

それらの作品の先駆け的に

本作で発揮。

 

 

私は上記作品を先に観たので

順番は前後しているが

本作が始まりですかね。

 

 

始まりだからか、

上記2作品より

ややおとなしめの印象。ww

 

 

 

カトリーヌ・ドヌーヴ演じる

トリスターナが

 

抑制されていたものから

解放されていくと、

 

 

ラストに向かって

どんどん自我というか、

 

意思の力が強くなる・・・

 

 

 

最初と最後の

トリスターナの変化たるや。

 

 

そして

ラストも印象的な終り方です。

 

 

 

人間の欲望や

資本主義などのあり方に

 

独自の目線を向ける

ルイス・ブニュエル監督。

 

 

とりあえず

また時間をおいて

再鑑賞したいですね。

 

 

(2022年5月41本目。本年度186本目)

 

 

スタッフ

監督:ルイス・ブニュエル

脚本:ルイス・ブニュエル、フリオ・アレハンドロ

原作:ベニト=ペレス・ガルドス

撮影:ホセ・アグアイヨ

美術:エンリケ・アラルコン

音楽:クロード・デュラン

編集:ペドロ・デル・レイ

製作:ルイス・ブニュエル、ロベール・ドルフマン

 

キャスト

トリスターナ:カトリーヌ・ドヌーヴ

オラーシオ:フランコ・ネロ

ドン・ロペ:フェルナンド・レイ

サテュルナ:ローラ・ガオス

ドン・コメス:アントニオ・カザス