鑑賞記録(2022.3.12)小津安二郎監督 大映にてセルフリメイク『浮草』1959 U-NEXT

鑑賞記録(2022.3.12)

小津安二郎監督

大映にてセルフリメイク

『浮草』1959

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『浮草』1959/118分/日本/カラー(アグファカラー)・スタンダード

1934年に松竹蒲田撮影所で製作した『浮草物語』を監督自らがリメイクした作品。

前年の初カラー作品『彼岸花』でも使用した、ドイツ製アグファのカラー映像。(撮影:宮川一夫)

本作は、小津が第二の故郷である地元三重県でロケーション撮影した唯一の映画でもある。三重県志摩郡浜島町、大王町、阿児町、東京都あきる野市の武蔵五日市駅、神奈川県茅ヶ崎市の茅ヶ崎海岸などで撮影された。

本作は1958年に『大根役者』として松竹で撮影するはずで、主要キャストは進藤英太郎・淡島千景・有馬稲子・山田五十鈴が予定されていた。佐渡や新潟でロケハンまで済ませたが、この年の雪が少なく、撮影を断念した。その翌年、松竹の監督だった小津が、前年作『彼岸花』でライバル会社大映のスター女優・山本富士子を借りた見返りに、小津は大映で『浮草』を監督する。

(ウィキペディアより)

 

一言あらすじ

駒十郎(中村鴈治郎)率いる旅一座が、久しぶりに田舎町にやってきた。その町へ駒十郎がやってくるのには訳があった・・・

 

感想

サイレント(サウンド版)映画

『浮草物語』(1934/昭和9年)の

デラックス版!!

といった感じのリメイクとなっている。

 

 

 

個人的には、

先に『浮草物語』を観ていて、

 

そちらは

モノクロ&サイレント(サウンド版)

だったので、

いい意味で場末感がハンパなかったww

 

 

 

それが作品と

マッチしていたと思うから、

 

本作の『浮草』は

私にはなんだか色々豪華に見えた。

 

 

 

衣装、宿、芝居小屋、

その他諸々が

 

『浮草物語』より

豪華に綺麗に見えるので

悲壮感がやや抑えられた感覚。

 

 

 

 

『浮草物語』を観ていなかったら

きっと何も思わなかっただろうが・・・

 

 

 

 

『浮草物語』が

時代もあってか

本当におんぼろ小屋で、、w

 

雨漏りとか、

結構、悲惨ww

 

 

『浮草』はめちゃきれいな

楽屋やら芝居小屋に見える。ww

(カラーってのもあると思う)

 

 

 

あと、

『浮草物語』を観ていた時は

特に気付かなかったが、

 

音声をつけてくれている、

倍賞千恵子さんが良かったんだと、

改めて気付かされた。

(寺田農さんも素敵ですよ)

 

 

 

 

倍賞さんの優しい声が

飯田蝶子さん演じる役を

(本作では杉村春子さんが演じている役)

 

さらに素敵な役にしていたんだ

と思った。

 

 

 

『浮草』は当然、

役者それぞれがしゃべっているが、

 

『浮草物語』より、

女の嫉妬が

浮き彫りとなった形に感じた。

 

 

 

超~個人的な意見としては、

 

杉村春子さんは

 

ちょっと空気読まなかったり

おせっかいだったり、

図々しいオバサンみたいな

(テンポの早い感じの)

 

役どころが好きだけどな~ww

 

 

 

『浮草』は、

やはり駒十郎演じる

中村鴈治郎さんが

最高に素敵!!

 

 

息子に会う時の

ウキウキな

子供みたいな笑顔ったらない!!!

 

 

キャラクターが最高です。

 

 

 

もちろん、

京マチ子さん、若尾文子さんも

とっても綺麗で魅力的です。

 

 

 

しかし、

本作を『大根役者』という作品として

撮影するはずだった

淡島千景さん・有馬稲子さん・山田五十鈴さん

の、お三方の幻バージョン、

 

 

観たかったなぁ~~!!!

 

 

残念です・・・

 

 

 

本作も素敵ですが、

もしご興味あれば

『浮草物語』と

見比べてみてください。

 

 

まぁ観る順番として、

『浮草』→『浮草物語』と観たら

ショボく感じるかもしれませんが・・・笑

 

 

 

個人的には

『浮草物語』の

悲壮感と

倍賞千恵子さんの優しい声が

作品にピタリと合っていると思うので

結構好きです。

 

(2022年3月18本目。本年度89本目)

 

スタッフ

監督:小津安二郎

脚本:野田高梧、小津安二郎

撮影:宮川一夫 美術:下河原友雄 音楽:斎藤高順

録音:須田武雄 照明:伊藤幸夫 色彩技術:田中省三

装置:原島徳次郎 装飾:岩見岩男 メークアップ:牧野隆

舞踊振付:花柳寿恵幸 舞台指導:上田吉二郎 助監督:中村倍也

編集:鈴木東陽 製作:永田雅一 企画:松山英夫

製作主任:松本賢夫 現像:東京現像所(アグファカラー)製作:大映東京撮影所

 

キャスト

嵐駒十郎:中村鴈治郎

すみ子:京マチ子

本間清:川口浩

加代:若尾文子

清の母お芳:杉村春子

小川軒のあい子:野添ひとみ

相生座の旦那:笠智衆

吉之助:三井弘次(松竹)

矢太蔵:田中春男

杉山:入江洋佑

木村:星ひかる

仙太郎:潮万太郎

座員しげ:浦辺粂子

あい子の母:高橋とよ

梅迺家のおかつ:桜むつ子(松竹)

梅迺家の八重:賀原夏子

扇升の孫正夫:島津雅彦(劇団若草)

古道具屋:菅原通済

扇升:伊達正

庄吉:丸井太郎

郵便局員:志保京助

梅の家の親爺:佐々木正時

あい子の父:宮島健一

小屋の男徳造:丸山修