鑑賞記録(2022.7.27)黒澤明監督『悪い奴ほどよく眠る』1960 U-NEXT

鑑賞記録(2022.7.27)

黒澤明監督

悪い奴ほどよく眠る』1960

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『悪い奴ほどよく眠る』1960/150分/日本/モノクロ

黒澤プロダクションの第1作である。

前作『隠し砦の三悪人』の製作日数と予算が大幅超過し、頭を悩ませた東宝側の要請に応じる形で、1959年に東宝との折半出資で「黒澤プロダクション」を設立した。

物語はデュマの小説『モンテ・クリスト伯』を参考にしており、シェイクスピアの戯曲ハムレット』の影響も指摘されている。

脚本には黒澤、小國英雄、久板栄二郎、橋本忍、菊島隆三の5人が参加し、黒澤作品の共同脚本では最多人数となるが、最初から最後まで参加したのは黒澤と久板だけで、小國、橋本、菊島は体が空いているときにしか参加しなかった。橋本は2週間限定で脚本料なしのボランティアのようにかかわった。菊島も別の企画に追われていたため限られた期間しか参加せず、菊島が合流した時には最初の40ページほどが完成していた。小津安二郎はそのことをズバリ指摘し、菊島に「あれは久板と黒澤がカッカして書いて、君と橋本君は寝てたんだろう」と話したという。

脚本執筆には時間を要し、20日間の合宿を4回も行い、通算80日ぐらいかかった。脚本はまず具体的な進め方を話し合い、それからシーンごとに分担を決めて書き、それを最後に黒澤が整理するという流れで進められたが、途中で思わぬ方向に話が進んでしまって書き直しすることが多かった。また、汚職の構造にまでせまると会社が企画を認めないため、実際の事件や人物に類似しないように配慮しなければならず、汚職の実態をリアルに描くことにも難航した

主なロケーションは、守山を監禁する廃墟が愛知県豊橋市の海軍工廠跡、和田が自殺未遂する火山が阿蘇山、古谷が自殺したビルが丸の内ビルディング、拘置所門前が横浜刑務所である。

『ゴッドファーザー』のファーストシーンは、ヴィトーの娘コニーの華やかな結婚式の裏でマフィアの闇の社会の謀議が行われるという対照的な情景だが、これは黒澤明監督の『悪い奴ほどよく眠る』のファーストシーン(娘の結婚式と、高級官僚である父の汚職事件の進行)から着想したと、のちにコッポラが語っている。

(↑ウィキペディアより)

 

冒頭あらすじ

日本未利用土地開発公団副総裁である岩淵の娘・佳子(香川京子)と、岩淵の秘書である西(三船敏郎)の結婚披露宴が始まろうとしていた。公団の課長補佐が汚職関与の疑惑で逮捕されたばかりで、会場は記者が詰めかけるなど、異様な雰囲気だ。汚職に関する逮捕はまだ治まりそうになく、さらに過去にあった事件を思い出させるようなものが、会場に運ばれてきて・・・

 

感想

『悪い奴ほどよく眠る』

というタイトル!!!

 

 

か、カッコいい〜〜!!

 

 

もうこのタイトルだけで

痺れますね。

 

そして日本語だからこそ

かっこよさが伝わるとも言える。

 

 

これ、英語とかにしちゃうと

ちょっとニュアンス

変わりそうですよね・・・

 

 

タイトルからして

ずっと気になっていた作品でしたが、

 

この度やっとの鑑賞。

 

 

本当は、黒澤監督作品、

 

1960年より以前のものを

もっと先に観ておきたいと思っていたら

 

どんどん先延ばしになってしまった・・・

 

 

 

しかし、この度

『ゴッドファーザー』の事を

チラッと書いていたら

 

 

本作をコッポラ監督が

参考にしたというじゃありませんか!!

 

 

 

これはもう観ておかないと!!

 

 

ということで

以前の作品は後回しにして、

 

本作を先に観ることにし、

 

やっとの鑑賞。

 

 

 

いつもながら、

 

圧倒的存在感の音楽と、

 

筆で書かれたタイトルとキャスト!!

 

味があってカッコいいです!!

 

 

 

お話も汚職事件とあって

中々入り組んだお話ですが

 

 

スリリングかつ

先の展開が気になり

 

面白かったです。

 

 

 

華やかな舞台の裏には

 

ゾッとするような闇が

顔を潜めている・・・

 

 

この対比が良いですね。

 

 

 

 

ちょっとネタバレ!?

かも・・・ですが

 

 

 

途中、

黒澤監督の敬愛する

 

ジョン・フォード監督なんかも

使っている手法ですが、

 

 

前の場面で

「絶対〇〇しないからな〜〜!!」

 

って言った次のシーンで

普通に〇〇を受け入れてる

(やっている)

 

 

というギャグ的センスの面白さ!!

 

 

個人的に超大好きな

 

オモシロ場面です!ww

 

 

 

あと、

これまた黒澤監督お得意の!?

 

シリアスな展開に

抜けた(全然違うイメージの)音楽を

つけることで

 

 

時として

コメディっぽく軽やかさが出ます。

 

 

 

展開と音楽の

あえての反比例的組み合わせ。

(結構色んな監督がやっていたりしますが)

 

 

とっても好きな演出です。

 

 

 

 

これは実際の世界でもそうですが

 

大物ほど表に出てこないもの。

 

 

 

本当の黒幕は

 

姿を見せることなく

直接事件に関わることなく

 

遠いところから物事を操り

 

何事もないように

 

穏やかに眠るのでしょう。

 

 

 

さすが・・・・

 

凄い映画です!!

 

 

(2022年7月38本目。本年度264本目)

 

スタッフ

監督:黒澤明

脚本:小國英雄、久板栄二郎、黒澤明、菊島隆三、橋本忍

撮影:逢沢譲 美術:村木与四郎

録音:矢野口文雄、下永尚(整音担当

照明:猪原一郎 音楽:佐藤勝

監督助手(チーフ助監督):森谷司郎

特殊技術:東宝技術部

現像:キヌタ・ラボラトリー

製作担当者:根津博

助監督:坂野義光、西村潔、松江陽一、川喜多和子

製作:田中友幸、黒澤明

 

キャスト

西幸一:三船敏郎

岩淵(日本未利用土地開発公団副総裁):森雅之

岩淵佳子:香川京子

岩淵辰夫:三橋達也

守山(公団管理部長):志村喬

白井(公団契約課長):西村晃

板倉 : 加藤武

和田(公団契約課課長補佐):藤原釜足

野中(検事):笠智衆

岡倉(検事):宮口精二

新聞記者:三井弘次

有村(公団総裁):三津田健

大竜建設顧問弁護士:中村伸郎

刑事:藤田進

堀内(地検検事):南原宏治

三浦(大竜建設経理担当重役):清水元

新聞記者:田島義文

波多野(大竜建設社長):松本染升

事務官:土屋嘉男

金子:山茶花究

和田の妻:菅井きん

古谷の妻:賀原夏子

守山の妻:田代信子

有村の妻:一の宮あつ子

和田の娘:樋口年子

新聞記者:近藤準

挙式接待係:佐田豊

タクシー運転手:沢村いき雄

新聞記者:横森久

殺し屋:田中邦衛

検事:桜井巨郎

公団管理部:清水良二

建設会社員:生方壮児、土屋詩朗

岩淵家女中:小沢経子、峯丘ひろみ

貸金庫受付:上野明美