行ってきました!古典映画超講義【特別講座① 講師:井口奈己監督】ジョン・フォード監督『周遊する蒸気船』1935 @神戸映画資料館

2022.2.11~2.12に

神戸映画資料館で行われた

 

古典映画超講義【特別講座】

ジョン・フォード監督作

『周遊する蒸気船』(1935)

 

の、鑑賞に行ってきました!

 

今回の講師は、井口奈己監督

(2日目の講座は、1日目の録画上映)

 

『周遊する蒸気船』1935/81分/アメリカ/モノクロ・スタンダード・16mmフィルム上映

巨匠ジョン・フォード監督がアメリカの国民的スター、ウィル・ロジャースを主演に迎え、アメリカ南部を舞台に繰り広げる笑いと涙にあふれる一連の人情喜劇〈ウィル・ロジャース三部作〉最後の作品ロジャースはこの後まもなく飛行機事故で急逝し、本作が遺作となった。(映画.comより)

 

ジョン・フォード監督&ウィル・ロジャース三部作

『ドクター・ブル』(1933) 『プリースト判事』(1934) 『周遊する蒸気船』(1935)

 

原題

Steamboat Round the Bend

 

一言あらすじ(お話のはじまり部分)

ドク(ウィル・ロジャース)は蒸気船で秘伝の薬と称した飲み物を売りさばいて暮らしており、夢は甥のデューク(ジョン・マクガイア)と一緒に買った船で旅に出ることだった。準備が整い、船でデュークの帰りを待っていると、デュークが恋人フリーティ(アン・シャーリー)とただならぬ形相でやってきた。デュークはフリーティを守ろうとして、あやまって人を殺してしまったという。ドクは自首するよう勧め、連れて行き・・・

 

感想

ジョン・フォード監督。

先月観た『駅馬車』(1939)が

面白く、ファンになった!

 

 

『駅馬車』もそうですが、

ジョン・フォード監督の作品は

いつもお話の展開が複数あり、

 

とてもじゃないけど

全然全体のあらすじは言えてませんwww

(大抵の作品そうだけど・・・)

 

 

今回は、

迫力満点の蒸気船が舞台。

 

 

『周遊する蒸気船』ってことで

タイトルはなんだか

ゆったりしてそうな感じですが

お話はゆったりしてません!笑

 

 

冒頭からわりとすぐに問題が発生、

展開していきます。

 

 

かなりテンポよく進み

状況もどんどん変化。

 

 

次々と新しい出来事があって

クライマックスに向かっていきます。

 

 

その間、

逐一笑いを挟みつつ

軽快なテンポに拍車をかけます。

 

 

お話の後半、

色々理由あって

蒸気船のレースに参加することになるのですが、

 

蒸気船も汽車の如く

ガンガン火を焚かれて

エンジン全開!

 

 

ライマックスに向けて

蒸気船が煙突から火を吹くように

登場する人間たちもヒートアップ!!

 

 

凄まじい勢いになってきます!

 

 

 

以下、ネタばれですが、、、、

 

 

 

 

 

 

個人的な超ヒット場面は、、、

 

 

 

 

 

夜中に自首しに来たドクとデュークに、

「もう寝てるから勝手に入っといてよ~」

(みたいなことを言う)

と、2階の窓から牢屋の鍵投げちゃう!!

超ゆるいジェファー保安官!!ww

 

 

すぐさまそれに対し、

「そんなにここは犯罪者多いんかいな?・・」

(みたいなことを言う)

と、サラッとボヤく

ドクのちょいツッコミ!ww

(ちょいツッコミは結構あるw)

 

 

 

あと、

ニュー・モーゼの捕獲!

の、瞬間wwwと、

 

 

 

酒じゃなく薬として売っていた

『ポカホンタス』ですが、

(その前のくだりからお酒なのかな?みたいなのはあるが、)

 

蒸気船のレース後半

燃料が無くなり、

あらゆるものを窯に突っ込むが、

(笑わせながらも、財産より人命を最優先する行為も良い)

 

 

『ポカホンタス』を入れた瞬間

爆発に近いものすごい炎が!!

 

 

酒、確定!!www

 

 

ほかにもネタ満載です!w

 

 

 

ラストは、

これどっかで見たような・・・

 

 

と、思ったら

こちらも去年のクリスマスに

神戸映画資料館で観た、

 

D・W・グリフィス監督の

『イントレランス』(1916)の

無実の罪で囚われた夫のお話に

そっくり!w

 

 

 

まぁそんなこんな!?

 

で、マルっと解決です!!ww

 

 

全体通してスピーディーな展開。

 

 

ドクの人情味溢れるキャラクターも

とても素敵です。

 

 

 

上映後の井口奈己監督のお話は

ざっくばらんな感じで

 

『周遊する蒸気船』のお話だけでなく、

監督が古い映画をみるようになったきっかけや、

 

サイレントを撮っている監督の

作品の強さみたいなことをお話されていた。

 

 

さらに

監督が大学で教えている生徒さんに

清水宏監督の

『小原庄助さん』を課題で出したら、

 

生徒さんはモノクロを観ること自体が

かなりきつかったらしく、

そのことに衝撃を受けたそうです。

 

 

たしかに・・・

 

モノクロ大好きな私としても、

衝撃です!!!

 

 

若いとそういうこともあるんだ・・・と。笑

 

 

そして『小原庄助さん』は

ちょうど観ようと思っていたところだったので、

近々観たいと思います。

 

 

以前に観た、清水宏監督の

『按摩と女』も

結構ツボなネタ満載で

個人的に爆笑だったので。

 

 

他にも、

監督が講師となって行われた

子供の映画ワークショップの話などありました。

 

 

 

こうして沢山の映画をご存知の方が

オススメしていただく映画が

映画館で観られるのは

本当に楽しい時間ですね。

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

(2022年2月13本目、本年度50本目、劇場10本目)

 

 

スタッフ

監督:ジョン・フォード

脚本:ダドリー・ニコルズ、ラマー・トロッティ

原作:ベン・ルシアン・バーマン

撮影:ジョージ・シュナイダーマン 音楽:サミュエル・ケイリン 美術:ウィリアム・ダーリング 編集:アルフレッド・ディギターノ 製作:ソル・M・ワーツェル

 

キャスト

ドクター(ドク)・ジョン・パーリー:ウィル・ロジャース

フリーティ・ベル:アン・シャーリー

デューク:ジョン・マクガイア

ルーフ・ジェファー保安官:ユージン・パレット

イフ:フランシス・フォード(ジョン・フォードの実兄)

イーライ船長:アーヴィン・S・コッブ

ニュー・モーゼ:バートン・チャーチル

ジョナ:ステピン・フェチット

川の住人:ジャック・ペニック