昨日の鑑賞【神戸クラシックコメディ映画祭2022 連携企画】D・W・グリフィス監督『イントレランス』1916@神戸映画資料館

昨日の鑑賞

『イントレランス』/映画館

 

 

昨日はクリスマスでしたが、

お昼から神戸映画資料館にて

神戸クラシックコメディ映画祭2022 連携企画

長尺の『イントレランス』を観てきました。

 

13時半から始まって、上映終了が17時15分ごろ。(途中休憩2回あり)

続いて、17時半〜18時過ぎまで、

レクチャーもあって

大体、トータル5時間ほど掛かった!!

 

今回は、活弁と生演奏付きで上映され、

長かったけど、大変貴重な体験を出来た。

 

 

 

『イントレランス』(1916)196分【16fps】/アメリカ/16ミリ/モノクロ・サイレント

今回は、

「16fpsの映写速度で1916年の初公開当時に近い上映が可能になった」そうで、

それにより、上映時間が長くなり196分とのこと。

 

【intrelance】の意味

・耐えられないこと。許せないこと。

・宗教上の、不寛容。

 

一言あらすじ

4つの異なる時代の、【イントレランス】(不寛容)の物語を、モンタージュ的に構成した、超高額な製作費かつ、当時では斬新な手法を用いた、超大作。

(※モンタージュ・・・映画・写真で、いろいろな断片を組み合わせて、一つの場面・写真を構成すること。フランス語で「組み立て」という意味。)

 

4つのエピソード

 

アメリカ編当時の現代のアメリカを舞台に、青年が無実の罪で死刑宣告を受ける。

ユダヤ編ファリサイ派の迫害によるキリストの受難を描く。

バビロン編異なる神の信仰を嫌うベル教神官の裏切りでペルシャに滅ぼされるバビロンを描く

フランス編フランスのユグノー(改革派教会)迫害政策によるサン・バルテルミの虐殺(フランスのカトリックがプロテスタントを大量虐殺した事件)を描く

(ウィキペディアより引用)

 

 

感想

 

4つの異なるストーリーが、同時並行的に、入れ替わり立ち替わりしながら進んでいく。

中でも、バビロン編は、恐ろしく壮大なセット!!

 

この作品は、グリフィスが異例の大ヒットを飛ばした前作『國民の創生』で得た報酬の100万ドルを注ぎ込んで製作。

それでもまだ足りず、さらに100万ドルを借金して製作したそう。

借金返済に20年近く掛かったらしい。

(上映後の、堀潤之先生のレクチャーで仰ってました。記憶違いあったらごめんなさい。)

 

 

しかし、、

興行的には失敗。当時には、ストーリーが斬新すぎる&難解、制作当時は第一次世界大戦初頭の反戦ムードから、制作が長引いたことにより、公開当時の1916年当時は参戦ムードになっており、時代の空気が内容と合わなかったこと、またアメリカ以外の話は観客の関心を引かなかったことなどが理由だそうだ。(ウィキペディアより引用)

日本では、1919年に小林喜三郎が、当時桁外れに高額な入場料である「10円」で興行を打ち、大ヒットする。日本では4つの並行するモンタージュをバラバラにつなぎ合わせている。この編集を行なったのは岩藤思雪。(ウィキペディアより抜粋)

と、↑のようなことがあったそうだが、

物凄い気合いを入れて作られたことは、本当によくわかる。

大量のエキストラもすごい。

 

 

100年以上前に、こんな作品を作っていたなんて、圧倒される。

(ちなみに、この『イントレランス』はプリントによって、あるシーンや、ないシーンがあるらしい。)

 

そして、今回は活弁と生演奏付き!!

 

活弁が入ることで、より状況を理解しやすくなり、とても楽しめた。

活動写真弁士の大森くみこさんによって紡がれる

語り言葉も素晴らしく、とても素敵と感じた。

1人で複数演じ分け、ナレーションも行うのだから凄い!

 

稲田誠さん率いる小編成楽団の音楽も、

聴き心地良く、個人的には、とてもオシャレな演奏に聴こえた(特に前半が好きな感じだった)。

後半のクライマックス〜エンドも

観ている映像や内容を引き立てていた。

 

生の活弁と、演奏を聴きながら超大作の鑑賞。

 

さらに、その後

堀潤之先生によるレクチャー

知らないことを知ることで理解が深まり、一層楽しめた。

 

内容も、イエス・キリストとか出てきたし、

まさに素敵なクリスマス・プレゼントになった。

 

 

スタッフ

監督・脚本・製作:D・W・グリフィス

撮影:ビリー・ビッツアー 編集:D・W・グリフィス、ジェームズ・スミス、ローズ・スミス 美術:ウォルター・L・ホール 衣装:クレア・ウェスト 特殊撮影:ハル・サリバン 撮影助手:ルイス・ビッツァー 助監督:ハーバード・スッチ 作詩:ウォルト・ホイットマン 製作会社:ウォーク・プロデューシング・コーポレーション 配給:トライアングル・フィルム・コーポレーション(アメリカ)、小林商会(日本)

キャスト

リリアン・ギッシュ、メエ・マーシュ、ミリアム・クーパー(英語版)、ロバート・ハーロン(英語版)、ヴェラ・ルイス(英語版)、マージョリー・ウィルソン(英語版)、ハワード・ゲイ(英語版)、コンスタンス・タルマッジ(英語版)他

 

D・W・グリフィス

本名:David  Wark Griffith

1875年、アメリカ合衆国ケンタッキー州生まれ。

活動期間:1908ー1931年

映画文法の基礎を築いた人物であり、様々な映画技術(モンタージュ、カットバック、クローズアップなど)を確立して、映画芸術的な域へと高めた。アメリカ初の長編映画『國民の創生』や『イントレランス』などの監督作品は彼の技術の集大成的な作品であり、現在でもアメリカ映画の名作として数えられる。(ウィキペディアより抜粋)