鑑賞記録(2022.9.3)パメラ・B・グリーン監督『映画はアリスから始まった』2018@元町映画館

鑑賞記録(2022.9.3)

パメラ・B・グリーン監督

映画はアリスから始まった

2018 @元町映画館

 

(↓パンフレット購入しました。700円也)

 

『映画はアリスから始まった』2018/103分/アメリカ/カラー・モノクロ

1895年3月、リュミエール兄弟が初めて映画を上映した場所に、彼女はいたー

「記録するだけの映像は退屈。映画で物語をつくったらどうかしら―」

クローズアップ、特殊効果、カラー、音の同期…現在の標準的な映画製作技法を次々と生み出し、世界初の劇映画『キャベツ畑の妖精』や、超大作『キリストの誕生』など1,000本以上を監督した映画監督・製作・脚本家として、世界映画史に大きな足跡を残したアリス・ギイ。リュミエール兄弟やジョルジュ・メリエスと並ぶ映画のパイオニアであり、ハリウッドの映画製作システムの原型を作り上げた世界初の映画監督となった女性は、なぜ映画史から忘れ去られていたのか?ベン・キングズレーや、アニエス・ヴァルダ、マーティン・スコセッシら映画界の早々たる面々や、アリス自身と彼女の親族らへの膨大なインタビューと緻密なリサーチ、アリス作品のフッテージの数々によってアリス・ギイの功績とその生涯をめぐる謎が今、明らかになる。(公式サイトより)

アリス・ギイ Alice Guy-Blaché

世界で最初に物語映画を監督したフランスの映画監督・脚本家・映画プロデューサー
パリ郊外に一男四女の末っ子として生まれる。当時、父親は南米チリで出版社と書店を営み、暮らしは裕福だった。アリスは修道院の寄宿学校を経て、速記とタイプを身につける。だが、父親が事業に失敗。ほどなくして父と兄が亡くなったために、アリスはパリの写真機材会社ゴーモン社に就職し、レオン・ゴーモン社長の秘書になる。1895年、リュミエール兄弟による世界初の映画『列車の到着』を社長と共に見て、「記録するだけでは退屈、映画で物語をつくったらどうかしら―」と言ったところ、社長は「秘書の仕事に支障がない限り」の条件つきで、ゴーモン社研究所の裏庭での映画作りを許可した。翌1896年、アリスは第一回監督作『キャベツ畑の妖精』を完成させた。世界初の物語映画の誕生である。以後、撮影所長を11年間務め、1000本近い作品を手掛けた。1907年渡米。1910年映画製作会社<ソラックス社>を発足させると経営は夫に任せ、自分は映画製作・監督に専念。1922年、フランスに帰国。1955年、レジョン・ド・ヌール叙勲。1968年94歳で永眠。(公式サイトより)

パメラ B.グリーン Pamela B. Green

米国ニューヨーク出身。人生の大半をヨーロッパとイスラエルで過ごしたことで、英・仏・伊、ヘブライ語に堪能。ロサンゼルスを拠点とするエンターテイメント&モーションデザイン会社<PIC>の創設者。ミュージックビデオやコマーシャルの監督、制作などで知られる。『映画はアリスから始まった』は初長編監督作。(公式サイトより)

原題

Be Natural: The Untold Story of Alice Guy-Blache

 

一言あらすじ

世界初の女性監督で、初の物語映画『キャベツ畑の妖精』など1000本以上の映画を監督・脚本・製作したにも関わらず、その存在が知られることのなかったアリス・ギイを追ったドキュメンタリー。

 

感想

先月元町映画館さんで行われた

 

サイレントフィルムライブで

本作の紹介があり、

 

映画の創世記に立ち会い、

 

監督として作品を世に送り出していた

女性がいたお話と聞いて、

 

これは絶対に観たい!!

 

と思い、鑑賞。

 

 

本作は、

その女性、アリス・ギイについて

 

パメラ・B・グリーン監督が

少ない手掛かりの中

あちこち探しまくり、

 

多くの映画関係者や

アリス・ギイの親戚などを探し当て、

 

 

話を聞いて回ってまとめ上げた

ドキュメンタリー。

 

 

途中でアリス本人の

インタビュー映像などもある。

(1950年台〜60年台の映像だったはず)

 

 

(ちなみに、

フレデリック・ワイズマン監督みたいに

監督・脚本・編集・製作をやってのける

グリーン監督です!!)

 

 

製作総指揮とナレーションは

 

映画史における

アリス・ギイの地位回復を!と

 

ジョディ・フォスターが担当。

 

 

 

アリス・ギイという女性監督が

初の物語映画を撮っていたけど

 

それがいざ発表されると

アリスの名前は無かった・・・

 

 

女性だからなのか

彼女が撮ったにも関わらず

 

アシスタントだったか助監督の

男性の名前でクレジットされるなど

 

今では考えられませんが、

 

全く世に知られることがなかった

アリスの存在。

(当時の映画関係者は知っていたが)

 

 

そんな彼女を

映画における重要人物として

 

かなり頑張って追いかけている様子が

伝わってくる本作。

 

 

分かりやすいイラスト映像??が

(インフォグラフィックっていうのかな??)

 

とても素敵で好きな感じでした。

 

 

オープニングからワクワクです!!

 

 

海外のこういった技術

上手だよな〜って思いますね。

 

 

同じくドキュメンタリーの

アルピニスト』(2021)も

とても素敵でした。

 

 

本作は、

あまりのリサーチっぷりに

 

後半やや観ているこちらが

疲れてしまいそうになる程ですが、、汗

 

かなりスピーディーに

カットを割りながら

(そうじゃないとちとダルくなるかもw)

 

アリスが残したらしき品々の

写真や手帳、勲章まで

探しに探し出します。

 

 

 

本作を観ていると、

 

アリス・ギイが知られていないなんて!!

(もちろん私も知らなかったが)

 

と思うほど、

後世に絶大な影響を及ぼしています。

 

 

そんな彼女を知れて、

とても興味深い作品でした。

 

 

 

彼女の作品は

ユーモアと想像力に富み、

 

20世紀初頭に

男女逆転したような作品を作ったりなど

かなり面白そうです。

(ほんの少しだけ作品の映像あり)

 

 

そんな彼女の格言が

「Be Natural」!!

 

映画(芝居)とは演技すること!

が当たり前!であろう時代に

 

もう、自然体で!というなんて!!

 

素敵過ぎます!驚愕です!!

 

 

作られた物語の中に

いかに真実を生み出すかが

 

映画の面白いところだと

私も思っているので、

 

この格言には痺れました〜!!

 

 

そんなアリス・ギイ監督の

短編集が

 

元町映画館さんでは

2022年9月9日、10日の

2日間限定で

上映されます!!

 

 

(↓そのチラシ表裏面)

  

 

これは絶対に観たいですね!!

 

 

本作でアリス・ギイ監督を

知った上で、

 

実際の作品を観られるとは、

最高ですね!!ww

 

とっても楽しみです!

 

(2022年9月5本目。本年度319本目、映画館168本目)

 

スタッフ

監督・編集・製作:パメラ・B・グリーン

脚本:パメラ・B・グリーン、ジョーン・サイモン

原作:アリソン・マクマハン

音楽:ピーター・G・アダムス

製作総指揮:ジェラリン・ホワイト・ドレイファウス、ジョディ・フォスター、ヒュー・M・ヘフナー、ジョン・プタク、ロバート・レッドフォード、レジーナ・K・スカリー、ジェイミー・ウルフ

 

キャスト

ナレーション:ジョディ・フォスター

 

キャサリン・ハードウィック(映画監督・脚本家・映画プロデューサー・プロダクション・デザイナー

ハワード・コーエン(映画プロデューサー)

パティ・ジェンキンス(映画監督)

ジュリー・デルピー(映画監督・女優)

ピーター・ボクダノヴィッチ(映画監督・俳優・作家・評論家・映画史家)

ピーター・ファレリー(映画監督)

ジーナ・ディヴィス(女優)

ベン・キングズレー(俳優)

アニエス・ヴァルダ(映画監督)

ドレイク・スチューツマン(ニューヨーク大学教授)

ジェーン・ゲインズ(コロンビア大学教授)