鑑賞記録(2022.8.17)SILENT FILM LIVE 【シリーズ17】パウル・ヴェゲナー監督『巨人ゴーレム』1920@元町映画館

鑑賞記録(2022.8.17)

SILENT FILM LIVE

生演奏で観るサイレント映画の愉しみ

【シリーズ17】

 

パウル・ヴェゲナー監督

巨人ゴーレム』1920

ピアノ:鳥飼 りょう

 

元町映画館

 

SILENT FILM LIVE 【シリーズ17】上映作品

魔女』      1922/106分/スウェーデン/ベンヤミン・クリステンセン監督

『巨人ゴーレム』  1920/86分/ドイツ/パウル・ヴェゲナー監督

ロスト・ワールド』1925/103分/アメリカ/ハリー・O・ホイト監督

 

『巨人ゴーレム』1920/86分/ドイツ/モノクロ・サイレント

ドイツ表現主義の初期の作品である。タイトルロールの怪物ゴーレムを演じたパウル・ヴェゲナーが監督も務めた(共同監督はカール・ベーゼ)。撮影は後に渡米し、ユニバーサル・ホラーで活躍したカール・フロイント。

ヴェゲナーがゴーレムを演じるのはこれが3度目となる(いずれも監督)。1本目は1915年の『ゴーレム』。2本目は1917年の『Der Golem und die Tänzerin(ゴーレムと踊り子)』で、これはホラーでなく短編喜劇。ヴェゲナーは本物のゴーレムではなく、惚れた女を怖がらせるためにゴーレムの化粧をする男を演じた。

ヴェゲナーは1915年版の話の運びに不満を持っていた。制作の都合で妥協したからである。そんな折、『プラーグの大学生』の撮影中に、プラハで語り継がれていたゴーレム伝説を聞くことができ、それをそのまま描こうと考えた。そして完成したのがこの映画である。

本作は1915年版の前日譚にあたる。3本のゴーレム映画の中で唯一現存する映画でもある。

この映画は後の幻想映画、とくに『フランケンシュタイン』(1931年)、日本の『大魔神』(1966年)に大きな影響を与えた。

ドイツ表現主義(英: German Expressionism)は、ドイツにおいて第一次世界大戦前に始まり1920年代に最盛となった芸術運動で、客観的表現を排して内面の主観的な表現に主眼をおくことを特徴とした。建築、舞踊、絵画、彫刻、映画、音楽など各分野で流行し、「黄金の20年代」と呼ばれたベルリンを中心に花開いた。日本を含む世界各地の前衛芸術に影響を与え、現代芸術の先駆となった。

公開時の評価は好評であった。翌1921年のアメリカ公開でも、ニューヨーク・タイムズ紙は「非凡な演技」「表現に富む舞台装置」と賞賛し、美術面においてはもう一つのドイツ表現主義映画、ロベルト・ヴィーネ監督の『カリガリ博士』(1920年)と比較された。

(↑ウィキペディアより)

 

原題

Der Golem, wie er in die Welt kam

(Google翻訳:世界に現れたゴーレム)

 

一言あらすじ

中世のプラハ。ユダヤの学者が占星術で不吉な予言をする。それは、ローマ皇帝がユダヤ貧民街を排除するというものだった。学者は泥人形に祈りを捧げ、ユダヤ危機の救世主としてゴーレムを蘇らせるが・・・(SILENT FILM LIVE 【シリーズ17】チラシより)

 

感想

以前に

『カリガリ博士』(1919)を

観たことがあるが、

 

100年以上前に

こんなに素晴らしい作品があったのかと

感心したものだ。

 

 

 

本作はその翌年公開の映画。

 

 

ドイツの映画がそうなのか?

本作も独創的で

素晴らしいセット!!

 

 

 

洞窟みたいな作りの部屋や

岩?の螺旋階段とか、

 

美術が個人的に好き。

 

 

 

中世の設定なので

衣装はシェイクスピア劇

なんかに出てきそうな感じ。

 

 

 

本作は

意外とテンポも早くなく、

そして表現も露骨ではないのかなと。

 

 

 

前回観た

ロスト・ワールド』(1925)が

まさにアメリカらしく、

 

超エンタメ!!って感じで

スピーディかつ

サクサク進むし、

 

お話の展開も劇的なだけに

 

それとは

対照的に感じましたね。

 

 

 

 

以下、ネタバレ含みますが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私としては

巨人ゴーレムが結構早い段階で

 

感情を持ち合わせているように

感じました。

 

 

 

ゴーレムを蘇らせたラビが

 

早速使用人のようにゴーレムを扱い、

薪割りとかをさせているのですが、

 

 

その薪割りを

「めんどくせ〜」とでも言うように

(↑言ってないけど、私にはそう見えたw)

 

途中で手を止めてしまうシーンが

早い段階であり、

 

 

私としては、

 

あぁ、機械みたいに無心でなく、

感情があるんだな〜

 

と、思いました。

 

 

 

そうすると、その後

段々もっと意思が強くなって来ます。

 

 

魔術?の本にも

 

”段々主人の言うことを

聞かなくなることがある”

 

とあり・・・・・

 

 

 

ゴーレムを

ヴェゲナー監督自身が

演じていることもあって

 

まさに人間のように

表情や行動で

意思を示します。

 

 

 

派手に感情爆発!!

みたいなのはあまりありませんが、

 

しっかりと確実に

意思を感じ取ることが出来ます。

 

 

後半の子供との関わり合いなど、

微笑ましいところもあり、

 

よりゴーレムの人格の様なものを

感じさせます。

 

 

 

 

余談ですが・・・

(茶化すつもりではありませんが)

 

 

ゴーレムの顔が

ビートたけしさんの顔そっくりに見えて

 

ひょうきん族で

パロディとかやってなかったっけ!?

(ない!!、、多分)

 

とか、密かに想像して・・・

 

 

 

すみません、

ついおチャラケた考えが・・・爆

 

 

 

鳥飼さんの音楽が

絶妙にマッチしているので

 

素晴らしい映画として

観ることができましたが、

 

 

 

これ、

すごいふざけた調子の音楽付けたら、

 

ギャグに思えて仕方ないな

 

とか、

邪な考えが頭から離れず・・・

 

 

 

すみません、、、

 

つい・・・

 

お笑い的なことが好きなもんで・・・

 

 

 

いや〜、しかし、

 

本当に鳥飼さんのピアノ

素晴らしいですね。

 

 

 

 

ロスト・ワールド』の時の

迫力満点の演奏とは

打って変わって、

 

かなり繊細に(情緒的!?)に

演奏されたように思います。

 

 

 

作品に応じて、

 

その日の観客の反応を見ての

即興演奏だからか、

 

毎回好きな演奏です。

 

 

 

アフタートークで

元町映画館支配人さんと鳥飼さんも

お話になっていましたが、

 

 

どちらかといえば

表現の仕方が派手な感じはなく

地味目?な本作ですが、

 

 

主張が強くない分

ある種の余白を残しており、

 

 

受け手側に委ねられる部分も

あるとも言えるかと。

 

 

 

本作が、後

フランケンシュタイン』(1931)や

『大魔神』(1966)など

 

多くに影響を与えたとされるのも

頷けますね。

 

 

(2022年8月26本目。本年度295本目、映画館153本目)

 

スタッフ

監督:パウル・ヴェゲナー、カール・ベーゼ

脚本:ヘンリック・ガレーン、パウル・ヴェゲナー

撮影:カール・フロイント、グイド・ゼーベル

製作:パウル・ダヴィットソン

製作会社:PAGU

配給:ウーファ、松竹

 

キャスト

ラビ・レーフ:アルベルト・シュタインリュック

ゴーレム:パウル・ヴェゲナー

ミリアム:リディア・サルモノワ

ラビの助手:エルンスト・ドイッチュ

騎士フロリアン:ローター・ミューテル

皇帝ルホイス:オットー・ゲビュール

ラビ・ジェヒュダ:ハンス・スツルム

従者:マックス・クロネルト

バラを持った娘:グレタ・シュレーダー

少女:ロニ・ネスト

道化師:フリッツ・フェルド