鑑賞記録(2022.8.13)国立映画アーカイブ所蔵 外国無声映画傑作選 vol.1アレクサンドル・ヴォルコフ監督『東洋の秘密』1928@神戸映画資料館

鑑賞記録(2022.8.13)

国立映画アーカイブ所蔵

外国無声映画傑作選 vol.1

 

アレクサンドル・ヴォルコフ監督

東洋の秘密』1928

伴奏:稲田誠カルテット

 

レクチャー

「川喜多かしこが守ったフィルムー『東洋の秘密』の奇跡」

講師:常石史子(映画研究/獨協大学准教授)

神戸映画資料館

 

『東洋の秘密』1928/103分[20fps]/フランス・ドイツ/モノクロ・サイレント・35mm

アラビアン・ナイトの物語を下敷きに、聞けば踊り出す笛を手にした靴職人の、笑ありロマンスありの冒険譚。大胆なアール・デコ様式の美術、バスビー・バークレーに先立つ幾何学的振付けのダンスシーン、要所で使用されるステンシル・カラー技術も見所。(神戸映画資料館 2022年8月チラシより抜粋)

アール・デコ様式:一般にアール・ヌーヴォーの時代に続き、ヨーロッパおよびアメリカ合衆国(ニューヨーク)を中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行、発展した装飾の一傾向。原義は装飾美術。 (ウィキペディアより)

バスビー・バークレー:(1895年11月29日 – 1976年3月14日)アメリカ合衆国のミュージカル・コレオグラファー、映画監督である。幾何学模様の複合的なパターンの複雑なミュージカル演出を考案した。大勢のショーガールを多用し、映像の中で万華鏡のようなファンタジックな世界を作り出した。(ウィキペディアより)

ステンシル広く孔版の意味で使われる版画技法のひとつ。 フランスではpochoirと呼ばれる。 合羽板とも言う。 金属や防水性の素材に文字や模様を切り抜いて紙や布の上に置き、上から絵の具・インキ・染料を刷り込み、抜かれた孔の部分を染色する技法。(現代美術用語辞典より)

ロケーション撮影はニースとフランス領チュニジアで行われました映画のセットは、アート ディレクターの アレクサンドル・ロチャコフとウラジミール・メイガルドによってデザインされました。スタジオ撮影は、ドイツのUFA(ウーファ)スタジオで行われた。(ウィキペディアより引用)

ドイツのウーファ社とフランスのシネ・アライアンス社が提携して製作した映画でアラビアンナイト物語からストーリーを借りてウーファ専属の脚色家ノルベルト・ファルク氏、ロベルト・リープマン氏の助力を得て「キイン」「過ぎゆく影」のアレクサンドル・ヴォルコフ氏がシナリオを作り併せて監督に当たったもの。主役を演ずるのは「キイン」「巴里夜話」等の老名優ニコライ・コリン氏。助演者として「妖花アラウネ(1927)」「魔術師」のイワン・ペトロヴィッチ氏、「マッターホン」のマルチェラ・アルバニ嬢、モジューヒン夫人として知られたるアグネス・ペーターゼン嬢その他が出演、ノーエ・ブロッシュ氏が製作指揮に当たった作品である。(映画.comより)

 

アレクサンドル・ヴォルコフ

ラテン文字表記:Alexandre Volkoff / ロシア語: Александр Волков, 1885年12月27日 – 1942年5月22日

ロシア帝国(現在のロシア)からフランスに亡命した映画監督、俳優、脚本家である。イタリアではアレッサンドロ・ヴォルコフ(Alessandro Wolkoff)とクレジットされた。

1885年12月27日、ロシア帝国のモスクワに生まれる

1913年、モスクワに拠点を置く映画会社ティマン&ラインハルトが製作するヤーコフ・プロタザノフ監督の短篇映画に出演し始め、同年、ヴォルコフも同様に短篇映画を監督し始める。ヨシフ・エルモリエフのエルモリエフ商会では、1917年、ヤーコフ・プロタザノフと共同でイワン・モジューヒンが主演した『ペェター・セルギー』を監督、同作は1925年に日本でも公開された

1920年、プロデューサーのヨシフ・エルモリエフ、俳優のイワン・モジューヒンらとともにフランスに移住・亡命した。パリ郊外のセーヌ=サン=ドニ県モントルイユに拠点を移したエルモリエフのもとで、映画を監督する

1927年、『ナポレオン』でアベル・ガンスの助監督を務める。1928年、ドイツの映画会社ウーファで『東洋の秘密』を監督している。1936年、ドイツでトーキー “Stjenka Rasin” を監督した後はしばらく映画界を離れる。1941年、イタリアの映画会社ティタヌスが製作したルイザ・フェリーダ主演のトーキー “Amore imperiale” を監督して復帰するが、これが最後の監督作となった

1942年5月22日、イタリアのローマで死去した。満56歳没。(ウィキペディアより)

 

原題

Secrets of the Orient

(ドイツ語: Geheimnisse des Orients)

 

冒頭あらすじ

靴職人のアリ(ニコライ・コリン)は、妻にどやされる毎日。そんな中の楽しみは、王宮や王女などの美女を夢見ること。ある日、男が笛の付いた革紐を直しておいて欲しいと持って来た。紐を直したアリは、ふと笛を吹くと、妻や子供、犬までも踊り出し、驚いたアリは、この隙に逃亡を図り・・・アリの冒険が始まる!

 

感想

トルブナヤ通りの家』に引き続き、

伴奏は

稲田誠カルテットの皆さん。

 

また先ほどとは違った雰囲気で

素敵な音楽と共に。

 

 

やっぱり生演奏は贅沢ですね〜!

 

 

動きや場面に合わせて

 

音楽や、効果音的な音が

一層場面を引き立たせてくれます。

 

 

 

そして、

何と言っても本作が

抜群に面白い!!!!

 

 

びっくりしました。

 

(常石さんのレクチャーによると、

日本でも公開当時大ヒットしたそうですが、

当時の新聞?では、

お色気モノ的!?に扱われたらしいですが・・・)

 

 

私は本作のことを

全然知りませんでしたが、

 

素晴らしい名作です!!!

 

 

 

お話は、

 

まさにアラビアン・ナイト!

って感じですが

 

ストーリーもちゃんとあり!w

 

最初から最後まで

1つのおとぎ話となっています。

 

 

 

時々、サイレント映画って

 

お話が脱線しまくる時がある!?

気がするんですが、w

 

本作はそういったことも無く

103分がしっかり1つのお話です。ww

 

 

壮大なスケールとセット!!

 

 

ステンシル・カラーでの染色は

かなり丁寧に施されていて、

 

 

こちらもレクチャーで

常石史子さんも仰っていましたが、

 

 

金と銀の色が特に素晴らしく

本当にキラキラしていてビックリします!

 

 

どうやったら

このリアルっぽい輝きを出せるんだろう〜??

 

 

と思いながら観ていました。

 

 

 

 

ちょっとネタバレですが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

途中、

占者が望遠鏡を眺めるシーンが

あるのですが、

 

ジョルジュ・メリエス監督の

『月世界旅行』の

オマージュかと思いました。ww

 

 

 

あと、

こちらもレクチャーでお話ありましたが、

 

冒頭、主人公のアリが

妄想で美女を思い浮かべますが、

 

そのオーバーラップの上手いこと!!

 

 

サイレント映画で

この手法はよく見かけますが、

 

とても綺麗且つ、

 

想像の美女が

ばっちりアリの肩に沿って

手を添わせます。

 

まさに触れているかのよう〜〜!!

絶妙です!

 

 

ダンスシーンも壮大だったり

ロマンスもありと

 

文句なしの名作だと

私は思いました!!!

 

 

いや〜、サイレント映画、

もっと観ないといけませんね!!

 

 

サイレントだから出来ることって

やっぱりある気がします。

 

 

今後もこういった上映会、

期待しています!!

 

 

(2022年8月21本目。本年度290本目、映画館150本目)

 

 

レクチャーからの箇条書きMEMO(間違えているところあったら、、、ごめんなさい・・・)

川喜多かしこのナイトレート・フィルム・コレクション 2002年に存在を知られる。(70年近く守ってこられた。)

大宝の可燃性フィルムが、伊豆(みかん畑)の危険物倉庫で保存されていた。ほとんどがヨーロッパ映画で、東和配給作品だけではない。

『東洋の秘密』(以下、本作と表記)に関しては、可燃性のプリントが1本だけあった。

本作は、エロティック描写が問題に。ドイツでは検閲(1928.5.29)で、10分くらいカットされている。

日本公開は1930年、「際どいエロティシズム」で人気を博す。(儲かった)

日本の検閲は、1929年の検閲で、43mのカット(1〜2分のカット)腰部の大写しとかはカット(全体は、およそ2360m)

日本で発見された版は、英語圏、ドイツ語圏でカットされたものより、カットされたところが少ない。

世界では、白黒コピーのみ現像(2788m)

本作は、ドイツでも残っていない、日本で残されていたカラー版

日本版は、夜は青い染色が施されている。ステンシル・カラー(パテ・カラー※フランスの会社)部分(20fpsで約13分※大変長い)あり。

(ステンシル・カラーは)一度型を作ると、複製しやすく、カラーということで付加価値が付いて良い値段で売れた。

トーキー以後もサウンドトラックを付けて使われていた。

ディゾルブ部分(酩酊している表現や、主人公と想像の女性の画が重なる表現など)の色彩が、非常に完成度が高い。【※ディゾルブ(オーバーラップ、クロスフェード):画面転換の技法。画面が次第に消えて行くに連れ次の画面がとけ込む感じで入れ替わる。(Weblio辞書より)】

金と銀の表現、キラキラ感。(常石さんの推測:ナイトレート・プリントの銀の含有量と関連?)黒の部分が分厚い

肌の色の表現 東洋人の特性を濃い色彩で、表現することで『天然色』感を増強か?

 

スタッフ

監督:アレクサンダー・ヴォルコフ

脚本:アレクサンダー・ヴォルコフ、ノルベルト・ファルク、ロベルト・リープマン

撮影:クルト・クーラン、ニコライ・トポルコフ、フョードル・ブルガソフ

美術:アレクサンドル・ロシャコフ、ヴラディーミル・マインガルト

音楽:ウィリー・シュミット=ゲントナー

製作:グレゴール・ラビノヴィッチ、ノエ・ブロッホ

 

キャスト

靴職人のアリ:ニコライ・コリン

ファトメ(アリの妻):ニーナ・コシッツ

アクメッド王子:イヴァン・ペトロヴィッチ

スルタン・シャリア:ディミトリ・ディミトリエフ

ゾベイダ(スルタンのお気に入りの妻):マルチェラ・アルバーニ

グルナー王女:アグネス・ピーターセン

フセイン王子:ガストン・モドー

宮廷占星術師:ユリウス・ファルケンシュタイン:

宮廷道化師:Hermann Picha :

王女の奴隷:ディタ・パルロ

宰相:アレクサンダー・ヴェルティンスキー

 

稲田誠カルテット

稲田誠(contrabass)

カメイナホコ(keyboard/clarinet)

楯川陽二郎(drums)

柳瀬瑛美(euphonium)