鑑賞記録(2022.9.18)
WKW 4K上映
ウォン・カーウァイ監督
『花様年華 レストア版』2000
@シネ・リーブル神戸
現在、各都市で行われている
WKW(Wong Kar Wai)4K 上映
第53回カンヌ国際映画祭にてトニー・レオンが主演男優賞を獲得し、ウォン・カーウァイ監督の代表作となった『花様年華』(00)。その制作20周年を記念し、監督自らの手により過去作を4Kレストアするプロジェクトが実施。その中より、珠玉の5作がスクリーンに帰ってくる。
ウォン・カーウァイ監督は、新たな上映素材について「『恋する惑星』と『花様年華』は私のお気に入りのアスペクト比1.66:1で撮影され劇場公開されましたが、ビデオ化の際に1.85:1に修正されました。そこで今回のレストアでは元のアスペクト比に戻しました。『天使の涙』は、元々意図していたスコープサイズに変更しています。当時はスタンダード画面で撮影したものをワイド画面に編集することは不可能でしたが、今回のレストアで実現することができました。また、『恋する惑星』は公開当時5.1chが存在しなかったため、今回5.1ch音声を再構成。『花様年華』もリミックスしています」と、画面サイズや音声の修復についてこだわりを明かしている。
ウォン・カーウァイ監督×撮影監督クリストファー・ドイルの名コンビが生み出す映像は、それまでのアジア映画のイメージを一新。90年代に日本で巻き起こったミニシアターブームを牽引する存在となり、そのスタイリッシュな映像と世界観は今もなお多くのクリエイターに影響を与え続けている。
そして今、ウォン・カーウァイ監督作が《時》を真空に閉じ込めたまま、さらなる吸引力を以って蘇る。恋は鮮やかに目の前を彩り、ふたたび心奪うだろう。
(WWK公式サイトIntroductionより。下線は付け足し)
2022年9月現在の神戸では
9月9日(金)より、
シネ・リーブル神戸さんで上映開始。
(2K上映)
上映5作品(4Kレストア版)+1作品
『恋する惑星』1994年/102分/香港/1.66:1/広東語/5.1ch
『天使の涙』 1995年/99分/香港/2.39:1/広東語/5.1ch
『ブエノスアイレス』1997年/96分/香港/1.85:1/広東語・中国語・スペイン語/5.1ch
『花様年華』 2000年/98分/香港/1.66:1/広東語/5.1ch
『2046』 2004年/129分/香港/2.35:1/広東語・中国語・日本語/5.1ch/R15+
『欲望の翼』【デジタルリマスター版】1990年/95分/香港 (※本作のみ2022年9月16,18,22日の3日間限定上映)
(※2022年9月現在、U-NEXTでレストア版が鑑賞できます!)
『花様年華 レストア版』2000/98分/香港(広東語)/1.66:1/5.1ch
1960年代の香港を舞台に、既婚者同士の切ない恋を描いたウォン・カーウァイ監督のロマンス映画。主人公のチャウは香港の短編作家・劉以鬯(ラウ・イーチョン)がモデルとなっている。また相手のチャン夫人の名前は同監督の『欲望の翼』で同じマギー・チャンが演じた人物と同じスー・リーチェンで、本作は『欲望の翼』の続編、『2046』の前編ともいわれている。
本作でトニー・レオンがカンヌ国際映画祭にて男優賞を受賞した。その他、モントリオール映画祭最優秀作品賞、香港電影金像奨最優秀主演男優賞(トニー・レオン)・最優秀主演女優賞(マギー・チャン)、金馬奨最優秀主演女優賞(マギー・チャン)、ヨーロッパ映画賞最優秀非ヨーロッパ映画賞、2001年セザール賞外国語作品賞など多数受賞。
(↑ウィキペディアより)
『花様年華』は、秘密についての映画です。ひとつの秘密から別の秘密で終わります。私たちは2000年にこの映画をつくりました。20世紀の香港への別れとして。歴史の中で色褪せてしまう前に。 ウォン・カーウァイ、2020年(パンフレットより)
原題
花樣年華
(英題:In the Mood for Love)
あらすじ
1962年の香港。地元新聞社の編集者であるチャウ(トニー・レオン)と、商社で秘書として働くチャン(マギー・チャン)は同じアパートへ同じ日に引っ越してきて、隣人となる。やがてふたりは、互いの伴侶が不倫関係であることに気付き、一緒に時間を過ごすことが多くなる。誰にも気づかれないよう慎重に、裏切られ傷ついた者同士が次第にささやかな共犯にも似た関係を育んでいくが――。(公式サイトより)
感想
WKW4Kの限定上映とあって
スケジュールが決まっており、
本作『花様年華』の
シネ・リーブル神戸さんの
上映スケジュールでは、
私の予定上、観られない
と諦めていましたが、
(U-NEXTで鑑賞予定でした)
なんと今日予定していた
仕事がトんだ!!ww
仕事がトんだら、収入もトびますが、
今日は、全然それでオッケー!!!笑
やったーーー!!
ラッキーー!?笑
というわけで、
何とも嬉しい?誤算で
本作を
映画館で観ることができました。
まだ
『ブエノスアイレス』(1997)は
観ていませんが、
おそらく私的には
5作品の中では
本作がやっぱり予想通り
一番好きですね!!!
(勝手にインスピレーションで思ってました)
多分、間違いない!!ww
時系列バラバラで観ているから
ちょっと混乱しそうになりましたが、
同じキャラクターが
各作品上で再登場!?
みたいな感じで、
お話が密かに繋がっているのも
魅力的。
『恋する惑星』と『天使の涙』
そして
『欲望の翼』『花様年華』『2046』
と、何気に繋がりを見せる。
本作を観ていて
先に鑑賞していた
『2046』との繋がりを感じながら
楽しめました。
そして、何といっても
カメラワーク、カット、
アングル、構図などなど
ウォン・カーウァイ監督作は
映画的映画だなぁ
と思っていましたが、
個人的には
本作が究極的に
ま・さ・に・映画的映画!!!!
だと思いました。
痺れましたね〜!!
かっこいいし、おしゃれだし、
しかもそれだけじゃあ
全然ない!!!!
音楽、衣装、
(ちなみに音楽も通ずるところあり)
お話である
メイン2人の関係性
すべてが惚れ惚れしました。
本作は、
いわゆる不倫映画ではない
と、私は思いましたね。
(2人の夫と妻の顔を映さない演出も好き)
理性や情、
社会性を兼ね備えた
男女だからこそ
踏みとどまってしまう現実・・・
とてもリアルで
そしてそれぞれの気持ちが
悲しくも切なく、、、
本作を観たら
『2046』での
トニー・レオン演じるチャウが
ああなってるのも
わかる気がするな・・・
なんて思いますが。
ま、ぶっちゃけ
独身の私としては、
やっぱり結婚ってな〜・・・爆
って思ってしまった!!ww
(幸せな結婚もあるでしょうが!)
恋愛映画にピンとこないと
昨日の『天使の涙』の回で
申し上げましたが、
本作のように
いわゆる恋愛、不倫、
みたいな感じじゃなく、
思いを秘めることを描かれると
それはとてもグッときましたね。
純粋に精神から起きる何かが
一番響くような気がします。
いや〜、素晴らしかったです。
映画館で観れたことで
その感じ方は一層だと思います。
本作は、
マイベスト映画に入ってきますね!
とても素敵な作品でした!
余談ですが、
劇中の喫茶店で
2人が飲み物を飲んでいるときに登場した
ファイヤーキングのカップ&ソーサー!!
(多分)
食器好きだった母が持っていて、
自宅にあり、
ずっと使わずに保管していましたが、
本作を観たら、
これを使ってお茶を飲んでみよう〜
と思いましたね。
(↑母のファイヤーキングのカップ&ソーサー)
(2022年9月22本目。本年度336本目、映画館179本目)
ネタバレMEMO
1960年代の香港を設定にしているが、撮影は主にタイのバンコクで行われている。撮影当時、’60年代の香港の街並みを再現するのは難しくタイで撮影をする方が容易かった為。
チャウとスーがステーキを食べるシーンのレストランは香港島の「金雀餐庁(GoldFinch Restaurant)」で、その後の作品「2046」でも使用され映画ファンに人気の場所であったが、2015年に惜しまれながら閉店。
作品の中で主演女優のマギー・チャンやアパートのオーナー役レベッカ・パンが次々と着こなす美しいチャイナドレスは、アートディレクターのウィリアム・チョンが自分の母親が60年代に着ていた服をリメイクしたもの。
(↑ウィキペディアより。パンフレットにも同様の記載あり)
スタッフ
監督・脚本・製作:ウォン・カーウァイ
製作総指揮:チャン・イーチェン
アソシエイト・プロデューサー:ジャッキー・パン
撮影:クリストファー・ドイル、リー・ピンビン
美術・編集・衣装:ウィリアム・チョン
美術:マン・リンチャン
照明:ウォン・チーミン
引用句の作者:リウ・イーチャン
音楽:マイケル・ガラッソ
挿入曲:梅林茂「夢二のテーマ」、ナットキング・コール、レベッカパン「ブンガワン・ソロ」他
キャスト
チャウ・モーワン:トニー・レオン
スー・リー・チェン(チャン夫人):マギー・チャン
スエン夫人:レベッカ・パン
ホウ社長:ライ・チン
ピン:スー・ピンラン
チャウの妻(声の出演):ポーリン・スン
スーの夫(声の出演):ロイ・チョン
他