鑑賞記録(2022.9.19)WKW4K上映  ウォン・カーウァイ監督『ブエノスアイレス レストア版』1997『ブエノスアイレス 摂氏零度』1999 U-NEXT

鑑賞記録(2022.9.19)

WKW4K上映

ウォン・カーウァイ監督

ブエノスアイレス レストア版

1997

U-NEXT

 

 

現在、各都市で行われている

WKW(Wong Kar Wai)4K 上映

 

第53回カンヌ国際映画祭にてトニー・レオンが主演男優賞を獲得し、ウォン・カーウァイ監督の代表作となった『花様年華』(00)。その制作20周年を記念し、監督自らの手により過去作を4Kレストアするプロジェクトが実施。その中より、珠玉の5作がスクリーンに帰ってくる。

ウォン・カーウァイ監督は、新たな上映素材について「『恋する惑星』と『花様年華』は私のお気に入りのアスペクト比1.66:1で撮影され劇場公開されましたが、ビデオ化の際に1.85:1に修正されました。そこで今回のレストアでは元のアスペクト比に戻しました。『天使の涙』は、元々意図していたスコープサイズに変更しています。当時はスタンダード画面で撮影したものをワイド画面に編集することは不可能でしたが、今回のレストアで実現することができました。また、『恋する惑星』は公開当時5.1chが存在しなかったため、今回5.1ch音声を再構成『花様年華』もリミックスしています」と、画面サイズや音声の修復についてこだわりを明かしている。

ウォン・カーウァイ監督×撮影監督クリストファー・ドイルの名コンビが生み出す映像は、それまでのアジア映画のイメージを一新。90年代に日本で巻き起こったミニシアターブームを牽引する存在となり、そのスタイリッシュな映像と世界観は今もなお多くのクリエイターに影響を与え続けている。

そして今、ウォン・カーウァイ監督作が《時》を真空に閉じ込めたまま、さらなる吸引力を以って蘇る。恋は鮮やかに目の前を彩り、ふたたび心奪うだろう。

(WWK公式サイトIntroductionより。下線は付け足し)

 

 

2022年9月現在の神戸では

9月9日(金)より、

シネ・リーブル神戸さんで上映開始。

(2K上映)

 

 

上映5作品(4Kレストア版)+1作品

恋する惑星1994年/102分/香港/1.66:1/広東語/5.1ch

天使の涙 1995年/99分/香港/2.39:1/広東語/5.1ch

『ブエノスアイレス』1997年/96分/香港/1.85:1/広東語・中国語・スペイン語/5.1ch

花様年華 2000年/98分/香港/1.66:1/広東語/5.1ch

2046 2004年/129分/香港/2.35:1/広東語・中国語・日本語/5.1ch/R15+

 

欲望の翼【デジタルリマスター版】1990年/95分/香港 (※本作のみ2022年9月16,18,22日の3日間限定上映)

(※2022年9月現在、U-NEXTでレストア版が鑑賞できます!)

 

 

今回は、U-NEXTで鑑賞できる

 

『ブエノスアイレス』の

制作ドキュメンタリー映画

 

ブエノスアイレス 摂氏零度』1999

も併せて鑑賞。

 

 

『ブエノスアイレス レストア版』1997/96分/香港(広東語・中国語・スペイン語)/カラー、モノクロ/1.85:1/5.1ch

本作の企画を監督から持ちかけられたトニー・レオンは「同性愛者役はできない」と一旦出演を辞退したが、「亡き父の恋人をアルゼンチンに探しに行く息子の物語」に書き改めた新企画を提示され了承。ところが現地に着いてみるとストーリーは大きく変更されていた。撮影当時、レスリー・チャンはコンサートツアーの予定があり、遅延に遅延を重ねた撮影の途中でやむを得ず香港へ帰国した(このため、しばらくウォン・カーウァイとの関係が悪化したとも伝えられている)。収拾のつかなくなったストーリーを完結させるために、兵役直前で休業に入る予定だったチャン・チェンとシャーリー・クワンが招集され撮影は続行されたが、クワンの出演シーンは完成バージョンには1カットも使用されていない。チャン・チェンはクランクアップ後に入隊。

第50回カンヌ国際映画祭コンペティション部門招待作品。監督賞を受賞した。またトニー・レオンが第17回香港電影金像奨主演男優賞を受賞している。

本作のメイキングを含むドキュメンタリー映画『ブエノスアイレス 摂氏零度』が1999年に製作されている。

(↑ウィキペディアより)

原題

春光乍洩

(英題:Happy Together)

 

あらすじ

香港から南米アルゼンチンへやって来たウィンとファイ。自由奔放なウィンと、そんなウィンに振り回されっぱなしのファイは何度も別れてはヨリを戻している。これも”やり直す”ための旅だったが、些細なことからまた痴話喧嘩をして別れ別れに。しばらくしてふたりは再会を果たし、怪我をしたウィンをファイが看病しながら一緒に暮らすようになるが……。(WKW4K公式サイトより)

 

感想

モノクロの美しい映像と

鮮やかなカラーと光が描き出す

ふたつの世界。

 

 

お話は、

ふたりの男性恋人同士の

物語が主だが、

 

 

基本的に

トニー・レオンさん演じる

 

ファイの目線で物事の多くが進む。

 

 

 

恋愛の揉め事は

性別の組み合わせ関係なく

 

 

大抵いつも

振り回す方と、振り回される方が

 

存在する。

 

 

そして

それが時に入れ替わることも。

 

 

もうやめると決めても、

また「やり直そう」と言われると

 

 

心が揺らぎ・・・

 

 

またいつの間にか

同じことを繰り返している・・・

 

 

そしてまた傷付け合っては、

 

また別れ・・・

 

 

 

そんな切ない思いは、

老若男女

関係ないのだろう。

 

 

 

思うようにいかない恋には

 

いつだって、誰だって

 

このような思いをする状況が

起こりうる・・・

 

 

 

アルゼンチンのイグアスの滝を

 

当初目指した彼らの行方は・・・

 

 

 

イグアスの滝が描かれた

小さなスタンドライトの光が

 

切なくも

とても素敵に色づく。

 

 

 

そして、

第三の男性の登場により、

 

また別の波が起こり

 

彼らを新たな場所へと

運んでいく・・・

 

 

 

性別に関係なく、

 

恋の悩みは

皆同じようなことがありますね。

(またしても遠い目・・・ww)

 

 

(2022年9月24本目。本年度338本目)

 

 

ネタバレMEMO

トニー・レオンは男同士でのラブシーンにはかなり抵抗があり、撮影後に呆然としてしまったという。

映画の終盤に登場する「世界の果て」の灯台は、南米大陸最南端デル・フエゴ島のエルクレール灯台である。

(↑ウィキペディアより)

 

スタッフ

監督・脚本・製作:ウォン・カーウァイ

製作総指揮:チャン・イーチェン

アソシエイトプロデューサー:篠原弘子、T・J・チョン、クリストフ・ツァン

製作主任:ジャッキー・パン

撮影:クリストファー・ドイル

美術・編集:ウィリアム・チョン

音楽:ダニー・チョン(Danny Chung)ほか

衣装:菊池武夫

 

キャスト

ウィン:レスリー・チャン

ファイ:トニー・レオン

チャン:チャン・チェン

 

『ブエノスアイレス 摂氏零度』1999/61分/香港/カラー

ウォン・カーウァイ監督の『ブエノスアイレス』のメイキングを含むドキュメンタリー映画

『ブエノスアイレス』本編からは大量にカットされたシーンがこの作品で初めて明かされた。ファイ(トニー・レオン)の妻(シャーリー・クワン)の登場シーンや、ウィン(レスリー・チャン)を診察した女医をめぐる三角関係、チャン(チャン・チェン)とファイの関係、ファイの妻とチャンの関係など、当初はウォン・カーウァイのそれまでの映画と同様に登場人物が幾重にも接点を持つ物語だったことが明かされている。

(↑ウィキペディアより)

撮影風景やカットされた映像にトニー・レオンや監督の独占インタビューを交え、本編制作を振り返る。レスリー・チャンのリハーサルや撮影時の貴重なオフショットも収める。(U-NEXT本作見どころより)

 

あらすじ

2人の男の切ない愛を描いた青春ドラマ『ブエノスアイレス』。本作では、アルゼンチンのロケ地をめぐりながら、本編では描かれなかった別のドラマと、スタッフやキャスト、ウォン・カーウァイ監督のインタビューを交え、制作にまつわる秘話を紹介していく。(U-NEXT本作ストーリーより)

感想

『ブエノスアイレス レストア版』を

鑑賞直後に、続けて鑑賞。

 

 

1時間ほどの

制作ドキュメンタリーとなっていて、

 

カットされたシーンが

かなりあったことがわかった。

 

 

撮影当初

 

アルゼンチンの

ブエノスアイレスが舞台で、

 

男性2人が主役ということ以外、

 

ほとんど決まっていなかったようだ。

 

 

 

撮影も、

相当時間を押したこと、

 

撮影するにあたり、

ロケ場所の使用料を吹っかけられたり、

 

「ここで撮影したら爆破する」など

 

俳優陣を含む脅迫も

かなりあったらしい・・・

 

 

 

恐ろしすぎます、アルゼンチン・・・

 

 

 

サッカー好きな監督は

 

マラドーナの母国で

映画を撮りたいと思ったところから

始まったようだが・・・

 

 

 

しかし、

カットされまくったシーンが

本作で多数チラチラと登場するが

 

それが使われていたら、

全く違うお話になっていただろう。

 

 

 

本編には登場しない女性、

シャーリー・クワンさんのお話もあり、

 

これだと完全に群像劇でしたね。

 

 

実際は丸ごとカットですが。。

 

 

個人的には、

カットで良かったと思うが・・・爆

(なんせ焦点絞ってる方が好き・・・)

 

 

 

他にもカットされて、

本編にないシーンが

多数登場している。

 

 

 

ファイに恋する女性の存在があったり

 

その女性と

ウィンが接点を持っていたりなど

 

アナザーストーリー的にも見られる。

 

 

この辺はカットになっているが

 

それぞれの役の厚みは

 

こう言った見えない”出来事”により

キャラクターの人格は

より一層積み上がっていったのだろう。

 

 

かなり色々と

撮っていたことがわかる。

 

 

そして

撮影が押しまくって、

 

レスリー・チャンさんが

自身のコンサートのため

帰国することになり、

 

 

それで内容も変更など

 

かなり流動的な撮影方法は

WKW監督にはやはり付き物のようだ。

 

 

 

だからこそ

偶然性が生み出すものも

あるのだろう。

 

 

お金と労力が

相当かかりそうだけど・・・

 

 

案の定、

 

撮影クルーも俳優陣も、

早く帰国したかったようだが。ww

 

 

その気持ちは、

 

『ブエノスアイレス』自体にも

結果的に通ずるところとなった。

 

 

映画の撮影って、

本当に大変だなぁ〜と

思いますね。

 

 

『ブエノスアイレス』の

舞台裏を垣間見たければ

どうぞご覧ください。

 

 

 

余談ですが、

気分を盛り上げるため!?

 

『花様年華』で登場の

ファイヤーキングのカップで

 

紅茶を飲みながら

鑑賞しました!

 

 

今度は

『花様年華』を再鑑賞時に!!ww

 

自宅鑑賞だから出来ることでもありますね。

 

 

 

(2022年9月25本目。本年度339本目)

 

スタッフ

監督:クワン・プンリョン、アモス・リー

撮影:クリストファー・ドイル

キャスト

レスリー・チャン

トニー・レオン

チャン・チェン

ウォン・カーウァイ

シャーリー・クワン