鑑賞記録（2022.8.27）
井口奈己監督特集
井口奈己監督
『犬猫（8mm）』
2000
@神戸映画資料館
今回の井口奈己監督特集 上映作品
『犬猫（8mm）』（2000/84分/8mm）
『犬猫（35mm）』（2004年/94分/35mm）
『だれかが歌ってる』（2019/30分/デジタル）
『こどもが映画をつくるとき』（2021/116分/デジタル）
『犬猫（8mm）』2000/84分/カラー/8mmフィルム上映
ぴあフィルムフェスティバル2001で企画賞を受賞し、8mmながらもレイトショー公開された自主制作作品。（2022年8月神戸映画資料館チラシより）
毎日撮影を行い、最初、ワンカット撮るのに1ヶ月とか掛かったらしい。（アフタートークより）
井口 奈己（いぐち・なみ）
1967年、東京生まれ。在学中に、矢崎仁司監督『三月のライオン』の現場に録音助手として初参加。その後、黒沢清監督『地獄の警備員』など、数々の映画で録音助手や助監督を務める。1997年、はじめての自主映画に着手。完成までに4年を要した『犬猫(8mm)』は、PFFアワード2001で企画賞(TBS賞)を受賞し、8mm映画作品としては異例のレイトショー公開され、第12回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞。2004年、『犬猫』を35mmでリメイクし、商業映画監督としてデビューを果たす。2008年に監督・脚本を手がけた2作目の長編映画『人のセックスを笑うな』が公開。ナント三大陸映画祭出品。2014年『ニシノユキヒコの恋と冒険』が公開、他に2019年短編『だれかが歌ってる』。2021年『こどもが映画をつくるとき』は初のドキュメンタリー作品。（神戸映画資料館公式サイトより）
あらすじ
幼馴染ながら、微妙に仲の悪いヨーコとスズ。留学するアベちゃんの留守を預かることになったヨーコだが、そこへスズが転がり込んできて・・・
感想
8mmがこんなに美しいとは！！！
いや〜〜
めちゃくちゃ面白かった！
2000年なので
全然平成（12年）ですが、
8mmで撮ると
すごいレトロ（昭和っぽい）感があって
めちゃくちゃ雰囲気があります。
そして
この物語にとっても合う。
ヨーコとスズの
キャラクターも面白く、
ストーリー、
世界観、
フィルムの感じ
あまりに素敵で驚きました。
2人の心情とかも
とてもよく分かるし、
笑いながら、
頷きながら、
ほっこりしながら、
観ていました。
井口監督と撮影の鈴木昭彦さんの
アフタートークで、
セリフが聞き取りづらいところがあって
監督が音を上げてと
鈴木さんにお願いしても、
当時の鈴木さんは
”このカメラの位置で、
人物の立ち位置がここだと、
音はこれくらいだ”
みたいなことを言って
セリフの音を上げてくれない！ww
と監督が仰っていた。ww
そんなやりとりもあったんですね〜！
結構
生活音や環境音みたいな音も入っていて
セリフが聞き取りづらいところとか
少しあったけど、
（セリフが絶対重要なシーンではない）
全然気にならず、
むしろ個人的には
そこが絶妙に好きな感じで
カメラの距離感と人物の音声の距離感が
合ってるのも心地良いし、
監督がそこをうまく使ってるところも
好きな感じでした。
そして
猫と犬という動物が登場！！
こどもと動物は
最高の癒しと
面白い何かを与えてくれますね。
かわいいイラストの感じとかも
（オープニングやエンディングの）
とっても雰囲気バッチリで
何から何まで
井口監督の世界観を感じられ
とても良かったです。
やっぱりその監督
オリジナルの
他にはないと思う仕事を観ると
観た甲斐があったというもの。
もちろん
どの監督にも作風や違いは
あると思いますが、
はっきりと
何か一味違う面白いものを観た時、
心躍りますね。
素晴らしかったです。
（2022年8月39本目。本年度308本目、映画館161本目）
スタッフ
監督：井口奈己
撮影・録音：鈴木昭彦
制作：佐野久仁子
他
キャスト
小松留美、塩谷恵子、鈴木卓爾、川原啓介、阿部美奈子、小林花よ、矢口史靖、猫田直、内屋敷保、関口里織
