鑑賞記録(2022.10.9)ポール・トーマス・アンダーソン監督『マグノリア』1999 U-NEXT

鑑賞記録(2022.10.9)

ポール・トーマス・アンダーソン監督

マグノリア』1999

U-NEXT

 

『マグノリア』1999/188分/アメリカ/カラー

ロサンゼルスを舞台に、一見関係のない男女9人の24時間を描く群像劇。3時間近い長編。第72回アカデミー賞3部門にノミネート。ベルリン映画祭 金熊賞(グランプリ)受賞。

またエンディングで使用されたエイミー・マンの「セイヴ・ミー」は、グラミー賞2部門、アカデミー歌曲賞にノミネート。同曲を含む映画のサントラは、最優秀コンピレーション・サントラ・アルバム部門にノミネートされた。監督のポール・トーマス・アンダーソンは、「(この映画は)エイミー・マンの歌にインスパイアされて作った」、「小説を映画化するのと同じコンセプトで彼女の音楽を映画化してみたかった」と語っている

スウェーデン映画の巨匠であるイングマール・ベルイマンは、インタビューにて本作を”アメリカ映画の強さ”の例として挙げ、高く評価している。

(↑ウィキペディアより)

ハリウッドの鬼才、P・T・アンダーソン監督が現代人が抱く罪と赦しを描いた3時間を超える群像ドラマ。賛否両論巻き起こったクライマックスは一見の価値あり。(U-NEXT本作”見どころ”より)

受賞

ベルリン国際映画祭(第50回、2000年開催)

金熊賞:ポール・トーマス・アンダーソン

 

ゴールデングローブ賞:(第57回、2000年開催)

最優秀助演男優賞:トム・クルーズ

 

原題

Magnolia

あらすじ

セックスを説くカリスマ青年、余命幾ばくもない人気番組の司会者、ドラッグ中毒の女性に恋した警官…。L.A.郊外・サンフェルナンドバレーに住む、一見何の繋がりもない彼らの人生が、そこで起きた偶然と不思議なめぐりあわせによって結びついていく。(U-NEXT本作”ストーリー”より)

 

感想

公開が1999年だから

もう20年以上経ってしまったが

 

初鑑賞。

 

 

 

確か本作公開の前に

 

同監督の

『ブギーナイツ』(1997)を

当時、民放で深夜に放送していて

 

 

ポルノ業界の話で

ちょっとギョッとしつつも

 

とても面白かったことを

記憶している。

 

 

 

そして

『マグノリア』が公開になると聞いて

それは、観たいな〜〜!!

 

と、思っていたのは

公開当時の話・・・・

 

 

 

まさかここまで観ずに来るとは

自分でもビックリ・・・

 

 

一度、チャンスを逃すと

こんなことになること多々・・・

 

 

やはり観たいなと思った映画は

すぐに観にいくに限りますね・・・

 

 

 

最近も、

なんとなく気になるけど

どうしような〜とか思ったり、

 

他のこと考えている間に

上映が終わってしまうということが

よくあるので

 

 

時間と予算の許す限り、

 

なるべくフットワーク軽く

映画館に足を運びたいと思います。

 

 

 

 

先日、同監督の最新作

リコリス・ピザ』(2022)

も観ましたが、

 

 

個人的には、

本作や『ブギーナイツ』の方が

好みだった!!ww

 

 

 

ポルノとか

性的な自己啓発セミナーとか、

 

中々のぶっ飛び下ネタトークや、

 

ドラッグ絡みのシーンなどは

2作品ともに共通していますが、

 

 

 

なんだか妙に面白く、

 

エグくないと思うのは

私の感覚でしょうかね??w

 

 

 

 

ちょっとアホらしくて

笑えると思いつつ

 

あそこまで振り切られると

よくわからないけど説得力が・・・ww

 

 

 

 

基本的に

群像劇がハマらない私ですが、

 

これだけ巧妙に

横のつながりが

 

偶然か必然か

見えてくるパターンは

 

好きなのかもしれない。

 

 

 

丸山健志監督の

『スパゲティコード・ラブ』(2021)

なんかもそうでしたが、

 

 

全然関係ないところで

それぞれ別で生きている

 

と、思われた人たちが

 

密かに繋がっていく・・・

 

 

という形の群像劇。

 

 

好きですね。

 

 

 

逆にいうと、

 

何人も人物が登場して、

それが完全に別々に起こって

シンクロしないのは

 

現実世界の世の中では

普通なんだけど、

 

 

そうすると

キャラクターの人生(時間)が

薄まるように感じてしまい、

 

あまり好みではないけど、

 

 

本作は、

ちょっとずつ色々と

 

そして場合によっては

結構絡み合い、

 

観ていて飽きずに

そして感情移入もしやすく

 

とても楽しめました。

 

 

3時間越えと長尺ですが

飽きずに観られました。

 

 

そして至る所で

目を見張るカメラワーク!!

 

 

本当につくづく

私は長回し好きだと

自分で思いますが、w

 

 

今では度々見かける手法でもありますが

(サム・メンデス監督『1917』とか

他でも観た)

 

 

一人を追いかけていき、

途中で別の人にスイッチしたりして

ワンカットで続いていく、、

 

という場面があったり、

 

とても面白かったです。

 

 

 

 

ちょいネタバレ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

劇中の『82』の文字。

 

 

観ている途中、

なんだろこれ??って思いながら

スルーしてましたが、ww

 

 

 

出エジプト記からのことだったんですね。

 

 

 

 

本作は、

 

子供が親からなんらかの

搾取的な状況にある(あった)

登場人物が多数登場、

 

 

その辺の悲劇やその後みたいなものも

関連していたり、

 

 

病や死についてのことも

描かれます。

 

 

 

そして衝撃の終盤は・・・・

 

 

 

 

実はこのラストは

当時超有名だったので

 

話には聞いてしまっていたのですが

 

 

まさかの事態にやはり

???となりつつも、

 

 

天才クイズ少年のスタンリーが

 

 

”こういうこともある

あり得ることだ”

 

 

と、呟き

冷静に見つめる目線は、

 

 

物事に”絶対”はないんだな

 

 

ということを

 

改めて感じました。

 

 

 

普通なら

ありえそうもない事態ですが

(本当になったらヤバすぎる)

 

 

 

世の中の可能性や

確率、先の事の不確実性など

 

 

頭でっかちにならず、

 

起こった出来事を

 

冷静に受け止める度量を

持ちたいものです。

 

 

 

印象に残った映画となりました。

 

 

 

(2022年10月10本目。本年度363本目)

 

 

 

スタッフ

監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン

撮影:ロバート・エルスウィット

美術:マーク・ブリッジズ、ウイリアム・アーノルド

衣装:マーク・ブリッジズ

編集:ディラン・ティチェナー

キャスティング:カサンドラ・クルクンディス

プロダクション・デザイン:ウィリアム・アーノルド

音楽:ジョン・ブライオン

主題歌:エイミー・マン

特殊効果:エンリケ・ビルスランド

VFX:インダストリアル・ライト&マジック

製作:ジョアン・セラー、ポール・トーマス・アンダーソン

 

キャスト

ジミー・ゲイター(生放送の人気長寿クイズ番組『What Do Kids Know?(子供は何を知ってるの?)』の司会者。):フィリップ・ベイカー・ホール

フランク・T・J・マッキー(男性向け自己啓発セミナー主催):トム・クルーズ

スタンリー・スペクター(『What Do Kids Know?』に出演する天才クイズ少年):ジェレミー・ブラックマン

ドニー・スミス(『What Do Kids Know?』の初代優勝者である元天才クイズ少年):ウィリアム・H・メイシー

アール・パートリッジ(『What Do Kids Know?』の元番組プロデューサー。末期がんで自宅療養中):ジェイソン・ロバーズ

リンダ・パートリッジ(アールの後妻):ジュリアン・ムーア

フィル・パルマ(アールの付き添いの看護士):フィリップ・シーモア・ホフマン

ジム・カーリング(ロス市警(LAPD)の警察官):ジョン・C・ライリー

クラウディア・ウィルソン・ゲイター(ジミー・ゲイターの娘):メローラ・ウォルターズ

ローズ・ゲイター(ジミー・ゲイターの妻):メリンダ・ディロン

バート・ラムジー/ナレーター(ジミーの同僚):リッキー・ジェイ

リック・スペクター(スタンリーの父):マイケル・ボーウェン

グウェノヴィエ(フランクにインタビューをするインタビュアー):エイプリル・グレイス

ルイス(クイズ番組の大人チームのメンバー):ルイス・ガスマン

若いジミー・ゲイター:トーマス・ジェーン

ディクソン:エマニュエル・ジョンソン

若いドニー・スミス:ベンジャミン・ニーデンス

ソロモン・ソロモン(ドニーの雇い主):アルフレッド・モリーナ

デルマー・ダリオン(木の上で死んでいたダイバー、カジノのディーラー):パットン・オズワルト

 

ネタバレMEMO

監督のポール・トーマス・アンダーソンは、1990年のクイズ番組「Quiz Kids Challenge」のアシスタントをしていた事がある。

空からカエルが降ってくるシーンについては、出エジプト記からの引用だと報道されたことがあったが、監督は当時その事を知らなかった。実際には、超常現象研究家のチャーズ・フォートの本からインスパイアされたものだと語っている。劇中でもスタンリーの勉強部屋に、フォートの著作「Wild Talents」が登場する。

タイトルの“マグノリア”は花の名前だが、映画の舞台であるサンフェルナンド・バレーに実在するストリートの名前でもある。

劇中でジミー・ゲイターやドニー・スミスが呟く「And the book says: “We may be through with the past but the past is not through with us.”」という台詞は、アメリカの英語学者バージェン・エヴァンスの著作「The Natural History of Nonsense」(Alfred A. Knopf, 1946年)からの引用である。(邦訳:「ナンセンスの博物誌」原田敬一 訳、毎日新聞社, 1961年)

ドニーは、バーにおけるサーストンとの会話の中で、サミュエル・ジョンソンの言葉を多数引用している。(※サミュエル・ジョンソンは、イングランドの文学者(詩人、批評家、文献学者)。「英語辞典」(1755年)の編集で知られる。 )

(↑ウィキペディアより)

罪を犯した人々は如何にして赦されるのか?劇中に繰り返し登場する「82」という数字が物語を読み解くキーワード。(U-NEXT本作”ここがポイント!”より)

調べると「旧約聖書8章2節 出エジプト記」を意味しているという。(「出エジプト記」とは、ユダヤ人を迫害したエジプト王に対し神が天罰を与えるという話)作中でクイズ番組の観覧客が「Exodus82」(Exodusは『出エジプト記』という意味)と書かれたカードを持って立っている。