鑑賞記録(2022.7.24)新長田映画講座 山根貞男、大映時代劇を語るvol.1 伊藤大輔監督『女と海賊』1959@神戸映画資料館

鑑賞記録(2022.7.24)

新長田映画講座 

山根貞男、大映時代劇を語るvol.1

 

伊藤大輔監督

女と海賊』1959

+講座

講師:山根貞男(映画評論家)

(講座は、昨日の録画)

 

@神戸映画資料館

 

新長田映画講座 山根貞男、大映時代劇を語る

vol.1『女と海賊』1959/90分/伊藤大輔監督/主演:長谷川一夫

vol.2あばれ鳶1956/89分/森一生監督/主演:市川雷蔵

vol.3『ドドンパ酔虎伝』1961/74分/田中徳三監督/主演:勝新太郎

 

『女と海賊』1959/90分/日本/モノクロ/16mm

1923年(大正12年)に公開された野村芳亭監督、伊藤大輔脚色による同名作品の再映画化(ウィキペディアより)

再映画化に当っては原作者の伊藤大輔が八尋不二(近作「弁天小僧」)と全面的な改訂を加え、自ら「弁天小僧」につづいて監督した。撮影も同じく「弁天小僧」の宮川一夫が担当した。(映画.comより)

 

大映

大映株式会社(だいえい)は、
1. 1942年から1971年まで存在した日本の映画会社。設立当初の法人名は大日本映画製作株式会社

2. 1974年から2003年まで存在した日本の映画会社。徳間書店の子会社であり、1.の映画事業を引き継いだ。設立当初の法人名は大映映画株式会社

1.と2.は登記上は別会社であるが、本項では、便宜上、1.と2.の映画事業を大映の歴史として詳述する。1.と2.による映画事業を譲渡され、設立当初は株式会社角川大映映画と称していた角川映画株式会社も新たに設立された会社であり、1.と2.が法人として前身にあたるわけではない。

(↑ウィキペディアより)

 

長谷川一夫が非情な海賊に扮する海洋活劇

日本映画はかつて2本の柱に支えられていました。時代劇はその片方の柱で、勢いが現代劇を上回ることもあり、戦後日本映画の黄金期だった1950年代には、大映と東映の時代劇が多大なファンを熱狂させていました。大映という会社は現在ありませんが、フィルムは残っており、見ることができます。そこで、大映創立から80年目の今年、スターの魅力と大映時代劇の面白さを再考する連続講座を企画しました。第1回は『女と海賊』(1959年)を取り上げます。主演の長谷川一夫は当時、毎年8本の映画に出て、大映のトップスターとしての人気を誇っていました。「銭形平次」シリーズを中心に、股旅もの、チャンバラ時代劇、王朝ものの大作など、多彩な主演作が並ぶなか、非情な海賊に扮した海洋活劇が『女と海賊』です。監督は伊藤大輔、共演は京マチ子。心に深い傷をもつ海賊を、天下の美男スターがどう演じますか。これは伊藤大輔脚本の『女と海賊』(1923年)のリメイクで、その無声映画が「時代劇」という呼称の第1号だった話は、当日のトークで。(山根貞男)

(↑神戸映画資料館公式サイトより)

 

セントエルモの火(St. Elmo’s fire

悪天候時などに船のマストの先端が発光する現象。激しいときは指先や毛髪の先端が発光する。航空機の窓や機体表面にも発生することがある。

セントエルモの火の名は、船乗りの守護聖人である聖エルモ(エラスムス)に由来する。彼はイタリアに向かう船に乗船中、嵐に見舞われ、船は転覆の危険にさらされる。聖人が熱心に神に祈ると、嵐はおさまる。そして帆柱の先端に青い炎が踊り出した、と伝えられているからである。(ウィキペディアより)

(↑山根氏のお話から)

 

一言あらすじ

江戸時代の初め、琉球・朝鮮近海を横行する海賊船の中に御崎庄五郎(長谷川一夫)とよぶ悪魔的残忍を持つ男を頭目とする末吉船があった。庄五郎は襲撃した船の男は総て殺し、女は乾分の慰みものとして与えることを掟としていたが、彼自身は女に手も触れなかった。それには庄五郎が海賊になったきっかけが関係していた・・・・

(↑映画.comより冒頭のみ抜粋、一部引用)

 

感想

何気に、

 

長谷川一夫さんを

ちゃんと観るの

初めてかもしれない。

 

 

やはり昔のスターは

存在感と迫力が凄い。

 

 

どっしりと構えた出立ちと

目力の強さたるや!!

 

 

お頭というのがピッタリです。

 

 

 

そして、

相手役の京マチ子さんも

 

妖艶かつ繊細に

二役を演じ分けておられます。

 

 

 

ビッグなお二人を

スクリーンで観られて感激です!

 

 

 

 

ファーストシーンの始まりが

まず目を惹きつけ、

 

 

さらに続く、

 

船上での船の揺れが

とっても素晴らしい!

 

 

 

まるで本当に水の上に浮かばせた

船の上のようだけど、、、

 

 

これ、、、

どうやって撮ってるんだろう??

 

 

と思っていたら、

 

 

鑑賞後の山根貞男さんのお話によると、

 

 

 

直径1メートルの鉄の球(だったかな?)

の上に、

 

30メートルの甲板の船のセットを乗せ、

 

スタッフ十数名?で

支えながら揺らしていたから、

 

 

カメラだけが揺れてるんじゃなく、

 

 

本当に船のセット自体が

揺れているとのこと!!

 

 

 

伊藤監督、さすがです!!!

 

 

 

ただ、京マチ子さんや

その他大勢の皆さん、

 

結構な船酔いをされたそうで・・・

 

 

 

それだけリアルな揺れだったんですね。

 

 

凄いわ〜〜〜

 

 

船の上のシーンを映す映画で

 

これほどリアルな船の揺れを感じた映画は

中々ありませんね。

 

 

 

観る方も、

人によっては

酔っちゃいそうなくらいですww

 

 

 

本作は、

1923年に公開された野村芳亭監督作の

リメイクということですが

 

 

山根氏のお話によると

1923年版はフィルムが現存しておらず、

 

内容を確かめることはできないそうですが

 

 

 

1923年版の結末は・・・

 

 

駆け落ちの男女が船に乗り込んだ後

追い詰められた2人は海に身投げして、

お頭が唖然とする・・・

 

 

みたいな割と単純な形で終わるそうなので

 

 

 

本作は、

(結末は1923年版と異なります。)

 

そこからいくつかのひねりや

登場人物が増えたりと

 

工夫がされているとのこと。

 

 

 

 

当時本作は、

あまり評価が高い作品ではなかったそうですが、

 

 

 

私はお頭の複雑な心境の描写は

素晴らしいと思いました。

 

 

 

人間とは、

 

そうやって自分でも

よくわかりきらないことに

 

悩み、葛藤するものだと思うから。

 

 

 

普段なら

絶対に取らないと思える行動を

 

何か思いも寄らぬ偶然や拍子に

 

取ってしまうこともあるでしょう。

 

 

 

 

そういった人間臭さが

描かれています。

 

 

 

そして

お頭とお糸の対比。

 

 

演出も面白く、

かっこいいです。

 

 

 

脇を固める役者さん方も

相当有名な方々が

かなり沢山出演されているそうで

 

 

 

そしてスタッフの方々も

相当な技術者が勢揃い!!

 

 

 

私は全然詳しくないので

存じ上げませんでしたが、

 

 

その辺もわかるようになれば

もっと楽しめるでしょうね。

 

 

 

まだまだ知識が足りませんが

徐々に追いつければと思いますね。

 

 

 

(2022年7月35本目。本年度261本目、映画館127本目。)

 

 

スタッフ

監督:伊藤大輔

脚色:伊藤大輔、八尋不二

原作:伊藤大輔

撮影:宮川一夫 美術:西岡善信

音楽:伊福部昭 録音:大谷宏

照明:中岡源権 編集:宮田味津三

企画:辻久一、高椋廸夫

風俗考証:甲斐庄楠音

製作:永田雅一

製作会社:大映京都撮影所

 

キャスト

御崎庄五郎:長谷川一夫

綾衣 / お糸:京マチ子

幸七:木村功

環:三田登喜子

小金:弓恵子

錦:毛利郁子

お百:倉田マユミ

種子島の常:千葉敏郎

お女郎・竹:舟木洋一

ゴロ丑:小堀阿吉雄

大ノ字の安:田崎潤

豆太夫:堺駿二

川島源次郎:河津清三郎

太夫一:若杉曜子

太夫二:緑美千代

太夫三:綾英美子

都:楠とし子

伊留満兵衛:武田正憲

転法利平:伊達三郎

法印大八:宮坊太郎

中山太一郎:寺島貢

御相撲松:阿部脩

題目の伊三:羅門光三郎

大脇治右衛門:四代目 浅尾奥山

左り桝の市:神田耕二

印伝の彦:清水明

大明神の安:春日清

縄手の助:桜井勇

海賊:河田好太郎

海賊:遠山金四郎

海賊:愛原光一