鑑賞記録(2022.11.13)新長田映画講座 山根貞男、大映時代劇を語るvol.3 田中徳三監督『ドドンパ酔虎伝』1961@神戸映画資料館

鑑賞記録(2022.11.13)

新長田映画講座

山根貞男、大映時代劇を語るvol.3

 

田中徳三監督

ドドンパ酔虎伝』1961

+講座

講師:山根貞男(映画評論家)

(講座は、昨日の録画)

 

@神戸映画資料館

 

新長田映画講座 山根貞男、大映時代劇を語る

vol.1女と海賊1959/90分/伊藤大輔監督/主演:長谷川一夫

vol.2あばれ鳶1956/89分/森一生監督/主演:市川雷蔵

vol.3『ドドンパ酔虎伝』1961/74分/田中徳三監督/主演:勝新太郎

 

『ドドンパ酔虎伝』1961/74分/日本/モノクロ/35mm/スコープサイズ

勝新太郎と市川雷蔵
大映時代劇講座第3回の上映作品は勝新太郎主演の『ドドンパ酔虎伝』。お馴染み決闘高田馬場の話で、貧乏浪人中山安兵衛が庶民を騙す連中を相手に大活躍をくりひろげます。監督は大映の若手田中徳三。新鮮な映像感覚による娯楽映画づくりが楽しめます。前回は直前にトーク中止になり失礼しました。そこで今回は欲張って、前回予定していた内容も含め、大映の2大スター、市川雷蔵と勝新太郎の個性、魅力についてお話しします。ふたりは1954年の大映映画『花の白虎隊』で揃ってデビュー。年齢も同じ両人がその後、多彩な作品に出ることにより、個性と才能をいかに磨いていったか。それは大映時代劇の歴史を見ることになるはずです。

山根貞男(神戸映画資料館公式サイト 新長田映画講座より)

1961年6月7日に大映が配給した、中山安兵衛の逸話である「高田馬場の決闘」を扱った、田中徳三監督によるミュージカル時代劇映画で、主演は勝新太郎。

当時ミュージカル調の映画がヒットしていたことから、大映が監督・田中、主演勝で製作を決めたが、田中も勝も製作に気乗りせず、大映から半ば強制される形で製作された。事実、興行成績は振るわなかったという。(ウィキペディアより)

中山安兵衛

堀部 武庸(ほりべ たけつね、寛文10年(1670年)- 元禄16年2月4日(1703年3月20日))

江戸時代前期の武士。赤穂浪士四十七士の一人。四十七士随一の剣客であり、高田馬場の決闘で名を馳せた。吉良邸討ち入りでは江戸急進派と呼ばれる勢力のリーダー格となった。通称の安兵衛(やすべえ/やすびょうえ)で知られる。(ウィキペディアより)

(※ただし本作では、上記の赤穂浪士であった話はないようだが・・・)

高田馬場の仇討ち

元禄7年2月11日(1694年3月6日) 、同門の菅野六郎左衛門(伊予国西条藩松平家家臣。武庸と親しく、甥叔父の義理を結んでいた)が、高田馬場で果し合いをすることになり、武庸は助太刀を買って出て、相手方3人を斬り倒した(高田馬場の決闘)。

この決闘での武庸の活躍が「18人斬り」として江戸で評判になり、これを知った赤穂浅野家家臣・堀部金丸が武庸との養子縁組を望んだ。初め武庸は、中山家を潰すわけにはいかないと断っていたが、金丸の思い入れは強く、ついには主君の浅野長矩に「堀部の家名は無くなるが、それでも中山安兵衛を婿養子に迎えたい」旨を言上した。長矩も噂の剣客・中山安兵衛に少なからず興味があったようで、閏5月26日(1694年7月18日) 、中山姓のままで養子縁組してもよいという異例の許可を出した。(ウィキペディアより)

 

本作、前半のあらすじ

江戸の町では、中山安兵衛(勝新太郎)が作曲した「ドドンパ音頭」が流行したが、権十郎(山路義人)という男がその唄を悪用し、新興宗教を創設する。同じ頃、赤穂浪士による盗賊集団とさせる「台風組」が街を荒らしていた。そんな中、安兵衛の近所に住む娘が、借金のカタに連れて行かれ、安兵衛は金を工面するため、酒呑みコンクールへ出場し・・・(ウィキペディアより前半部、一部抜粋)

 

感想

モダン時代劇

ミュージカルエンタメ!!ww

 

舞台は元禄だけど、

 

言葉や文字、音楽などは

ガッツリ昭和!ww

 

 

歌謡曲の音頭で

江戸の町民が

躍る躍る!!w

 

 

オープニングクレジットが

超モダンでカッコイイ!!

 

 

時代劇の感じは

カツラと衣装と

設定だけ!?ww

 

他は、

現代劇といった感じ。w

 

 

シネスコのワイド画面で

 

しかもフィルムが

とっても綺麗なようで

 

めちゃくちゃ細かいところまで

かなり見えました。ww

 

 

お侍の

チョンマゲのカツラの

境目までが

よく見えてしまうほどに・・・w

 

 

ザッツ・エンタメ映画で

展開も早く、

 

笑いの要素も多く出てきます。

 

というかほどんどお笑い!?w

 

 

歌あり、踊りあり、

笑いあり、

チャンバラあり!!

 

 

お話もあれこれと

盛り沢山!ww

 

 

ドドンパの曲、

新興宗教、

台風組という窃盗集団、

酒呑みコンクール、

安兵衛の叔父の件、

etc・・・

 

 

勝新太郎さんも

お上手な歌を披露!w

 

そして立ち回りも

なんか独特の調子があって

カッコイイです!!

 

 

大酒を飲むシーンも

ピッタリすぎ!!

リアル過ぎます!ww

 

 

サクサクと進む展開で

エンタメ感たっぷりの

おもしろ時代劇

ミュージカル映画!?

 

のようでした。

 

 

ぜひ、ご覧下さい!!

 

 

時間の都合上、

途中までの講座鑑賞に

なりましたが、

 

山根貞男さんのお話も

面白かったです。

 

 

大映特集が

より一層楽しみになりました。

 

ありがとうございました!

 

(2022年11月15本目。本年度410本目、映画館228本目)

 

 

スタッフ

監督 : 田中徳三

脚本:銀座八郎

原作:川内康範

企画 : 高森富夫

撮影 : 武田千吉郎

美術 : 太田誠一

音楽 : 宮川泰

編集 : 菅沼完二

製作:大映京都撮影所

キャスト

中山安兵衛:勝新太郎

大高源吾:小林勝彦

まり江:渡辺マリ

園枝:浦路洋子

赤垣源造:水原弘

おしん:宮川和子

お勝:楠トシエ

おきみ:白鳥みづえ

有難やの三次:由利徹

申し訳けないの仙太:南利明

堀部弥兵衛:益田キートン

清水一角:千葉敏郎

おかん婆ア:武智豊子

金貸し万吉:中村是好

村上権十郎:山路義人

文吉:伊藤素道

武助:大杉潤

万吉女房おせん:滝のぼる

太郎吉:高梨雄司

氏上典膳:伊達三郎

若党久作:沖時男

須貝甚左衛門:荒木忍

山根貞男さん講座MEMO(お話の一部で、聞きながらのメモなので、間違ってるところあれば、ゴメンナサイ)

1961年、渡辺マリの歌謡曲『東京ドドンパ娘』が大ヒット。それに便乗した映画だが、映画のドドンパのリズムはまた別で作られている。本作で渡辺マリ本人が出演して歌ってる。 レコードが2月に出て、6月に映画公開というスピードの速さ。

日活で『東京ドドンパ娘』という映画があった。それが1961年5月。

当時の映画作りは、ヒントがあれば、あっという間に作り上げている。どんどん作る。戦後映画の中で、この年代が一番製作ピーク。

中山安兵衛は、板妻、嵐寛寿郎などが過去に演じている。中山安兵衛は、有名な赤穂浪士。(本作では赤穂浪士のくだりはナイ)

原案、河内康範。月光仮面や、歌謡曲のヒットメーカー。脚色は銀座八郎。これは康範のペンネームか?古い資料には、脚色が河内康範になっている。

74分で盛り沢山の話。圧縮されてる。この映画で勉強してほしい!笑。ダラダラやらない!この5〜10年くらい、映画がだら〜んとしてきた。

歌と笑いとチャンバラで繋ぐエンタメ。

田中監督は、溝口健二、衣笠貞之助などの助監督している。本作の後、市川雷蔵主演の眠狂四郎シリーズなどちゃんとした大映時代劇を撮っている。

この映画は、笑いと歌で、勝新太郎だから出来た映画だろう。(市川雷蔵とは対照的)

市川雷蔵、歌は弱い。(笑)しかし、勝新とは全く違った、どこか哀愁ある美男子のスター。

勝新は多くのモノクロの映画に出演、その年間の出演数は雷蔵より多い。(当時の映画制作は、モノクロの方が早く、カラーの方が時間が掛かった(今は逆だけど)。新平家物語(1955年、溝口健二監督)など、制作に時間が掛かった映画に雷蔵が出演していることも理由の一つ)後に、勝新の妻となる中村玉緒は、二人と共演していたが、勝より雷蔵の映画の方がいいという事を言っていた、というのを、山根さんが何かで読んだらしい(勝はモノクロ映画で、雷蔵はカラー映画だから)。女性が映るのは、カラーの方がいいのかな?と。w

大映のフィルムをすべて引き継いだ角川。今年は大映設立から80年。

この度の、山根貞男さんの新長田映画講座の3本のチョイスは、大映スターの3人、長谷川一夫(銭形平次)、市川雷蔵、勝新太郎(『花の白虎隊』で、雷蔵と勝新は同時デビュー。)で、同じ監督にはしたくない、しかも大映を代表する監督で。更に、もうすぐ始まる予定の、大映特集でやらないような作品のものを選んだとのこと。(今回の『ドドンパ酔虎伝』が特に好き!ってわけでもなかったけど・・・とのこと。笑)