鑑賞記録(2022.11.24)
SILENT FILM LIVE
【シリーズ18】
E・A・デュポン監督
『ヴァリエテ』1925
ピアノ伴奏:鳥飼りょう
@元町映画館
SILENT FILM LIVE
【シリーズ18】
2022.11.19(土)〜25(金)
毎回12:40〜
全ての回、
ピアノライブ演奏+アフタートーク付き
(始まる前も、チラッとトークあり)
元町映画館にて
明日までの開催!
SILENT FILM LIVE【シリーズ18】上映3作品
『イタリア麦の帽子』
1928/106分/フランス/ルネ・クレール監督
『ヴァリエテ』
1925/121分/ドイツ/E・A・デュポン(エワルド・アンドリュー・デュポン)監督
『血と砂』
1922/104分/アメリカ/フレッド・ニブロ監督
(今回は、不倫にまつわる3本との事!)
『ヴァリエテ』1925/121分/ドイツ(ドイツ語字幕)/モノクロ/サイレント
主演は後に初(第1回)のアカデミー賞男優賞を獲得する名優エミル・ヤニングス。ベルタ役のリア・デ・プティも小悪魔女優として魅力に溢れている。撮影のカール・フロインとの鋭敏な映像感覚で撮られた数々のショットは、いま観ても新鮮で格好良い。(SILENT FILM LIVE【シリーズ18】チラシより)
フェリックス・ホレンダーの小説『Der Eid des Stephan Huller』をE・A・デュポン監督が映画化。
日本でも公開され、ヨーロッパ映画としては稀に見る興行成績を収め、第4回(1927年)キネマ旬報ベストテンでは第2位に選出された。映画理論家の帰山教正はとくに性的表現を高く評価したうえで、若い女性にリピーターが多く、「此の映画を見て姦通をした婦人がある」と伝えている。なお、公開時の邦題は『曲藝團(ヷリエテ)』だった。
タイトルの「ヴァリエテ」とは曲芸団のこと。空中ブランコのシーンは、ベルリンに実在したヴィンターガルテン劇場の設定。ブランコにカメラを乗せ、迫力のある画を撮っている。
監督のデュポンは1931年にトーキー版を『泣き笑ひの人生』という題名でリメイクしている。
(↑ウィキペディアより)
エワルド・アンドリュー・デュポン Ewald André Dupont (監督)
1891年12月25日 – 1956年12月12日 ドイツの映画監督。ドイツ映画のパイオニアの一人。ドイツで数本のサイレント映画を成功させた後、アメリカ、イギリスでも仕事をする。
1925年、代表作『ヴァリエテ』(1925年)を発表。撮影監督はドイツ表現主義のカール・フロイントで、空間移動を表現豊かに描いた斬新なカメラワークが評価された。『ヴァリエテ』はアメリカでも公開され、ニューヨークのリアルト劇場で12週もロングランされた。
カール・フロイント Karl Freund(撮影)
1890年1月16日 – 1969年5月3日 ボヘミア生まれ。(現在のチェコの西部・中部地方を指す)両親はユダヤ系。
ドイツの撮影技師。担当した映画は100作以上に上る。
幼少時にベルリンへ移住し、15歳から映写技師として働き始めた。その後ニュース映画のカメラマンとしてキャリアを積み、1911年にアスタ・ニールセン主演「Heißes Blut」で初めて劇映画の撮影を務める。1920年代には「巨人ゴーレム」(1920)「最後の人」(1924)「メトロポリス」(1927)等の名作のカメラマンとして起用された。実験映画の「伯林 – 大都会交響楽」では監督ヴァルター・ルットマンと共同で脚本も担当している。
1929年にアメリカに渡り、「魔人ドラキュラ」(1931)から「キー・ラーゴ」(1948)まで多くの映画の撮影を担った。「魔人ドラキュラ」では監督のトッド・ブラウニングが仕事のやる気を失っていたため、いくつかのシーンはフロイントが演出を行ったという。「大地」(1937)でアカデミー撮影賞を受賞。また1921年から35年の間に10本の映画を監督しており、最も有名なものはボリス・カーロフ主演の「ミイラ再生」(1932)とピーター・ローレ主演「狂恋」(1935)の2本の怪奇映画である。(ウィキペディアより ※リンクは当サイトの鑑賞記録)
原題
Varieté
(フランス語訳:バラエティ ドイツ語訳:寄席 と、Google翻訳では出た。フランス語が元のようだが)
あらすじ
見世物小屋の主として妻と働く男。ある日、身寄りのない若い踊り子ベルタ・マリーが彼の前に現れた。艶麗なベルタに惹かれた男は、妻を捨て駆け落ちする。やがて二人はベルリンのサーカス団に入団。空中ブランコ師として幸せな生活を送るが、そこへ天才空中ブランコ師の若い男が現れ・・・(SILENT FILM LIVE【シリーズ18】チラシより)
感想
これは・・・
なんて素晴らしいんだ!!!!
マイベストに入るほど
素晴らしかったです!!!
ただし、
鳥飼さんの演奏ありきですが!!ww
いや〜〜、、、
至福の映画体験でした・・・
冒頭の30秒で、
(下手したらもっと短い!?)
胸キュンノックアウト!!w
(一般的な胸キュンとは違います)
私好み過ぎます!!!
好みの映像、撮影アングル、
フォント(ドイツ語字幕の表記の字体w)
そして何と言っても
極め付け!!!
鳥飼さんの演奏が
マッチし過ぎて痺れました!!!
生演奏だからアレですが、w
永久保存版並みの演奏です!!!
(もう一回と言わず複数回観たくなる!)
毎度のことながら
本当に素晴らしい演奏を
披露してくださる鳥飼さんですが、
今回の3本も
どれも素晴らしかったですが
映画の好みもあって
本作が一番の
どストライクでした!!ww
複数の音楽の
メロディー自体の好みもそうですが、
BGMとしても、
心情や状況などを反映させる
アシスト効果としても、
劇中に登場する物質の
効果音的な役割としても
どれをとっても
パーフェクトです!!
お見事でした!
そして、
お話と映像の両面から
魅せてくれる本作。
サーカスの賑やかな光景や
花火祭りなど
エンタメ的映像もありつつ、
本作の後に作られる
私も大好きな
『メトロポリス』(1927)の
撮影監督である
カール・フロイントの素晴らしい
撮影技法。
空中ブランコのシーンも
圧巻です!!
(普通にびっくりな凄い技が!!)
そんなエンタメな部分や
ちょこちょこ笑えるシーンがありながら
お話は、
人間の欲望、欲求、
愛から生まれる憎悪を
たっぷりと描きます。
緻密に構成された
ショットの数々。
目線ひとつ、表情ひとつ、
ひとつひとつのカットに
伏線が張り巡らされています!!
込み上げる人物達の心情、
心情変化する人間の表情、
そして、
三角関係からの
事の成り行き・・・
エミル・ヤニングス演じる
ボスが、
最終的にはカッコいい!!w
妻子を捨てた男なんて!!と、
侮っていられない程
正直、気合い入ってます!!ww
ネタバレになるので
詳しくは書きませんが、
私が鑑賞しながら、
想像していた姑息な手段が
覆された時の
気持ちいい裏切り!!ww
(自分の考えの小物っぷりに愕然としますがw)
これがいいんですよね〜!ww
裏切られたい!!爆
(映画のストーリーには)
リア・デ・プティ演じる
ベルタ・マリーの前半と後半の
変化していく様もご注目。
色々と素晴らし過ぎて
逆にもう
言う事がありません・・・
これだから、
映画はやめられない・・・
(特にクラシック!)
そして、
今日の演奏は
もう二度と味わえないという
生演奏の贅沢さ、刹那さ・・・
これぞ、
ライブの醍醐味ですね。
本当に素晴らしかったです!!
ありがとうございました!!
次回の開催は、
来年3月頃の予定だそうですよ。
ぜひ、お楽しみに!!
(2022年11月27本目。本年度422本目、映画館239本目)
スタッフ
監督:E・A・デュポン(エヴァルト・アンドレ・デュポン)
脚本:E・A・デュポン、レオ・ビリンスキー
撮影:カール・フロイント
セットデザイン:オスカー・フリードリヒ・ヴェルンドルフ
プロデューサー:エーリッヒ・ポマー
製作会社:ウーファ
他
キャスト
ボス:エミル・ヤニングス
ベルタ・マリー:リア・デ・プティ
アルチネーリ:ワーウィック・ウォード
ボスの妻:マリー・デルシャフト
他