鑑賞記録(2022.8.18)生誕90周年上映【フランソワ・トリュフォーの冒険】フランソワ・トリュフォー監督『突然炎のごとく』1961@アップリンク京都

鑑賞記録(2022.8.18)

生誕90周年上映

【フランソワ・トリュフォーの冒険】

 

フランソワ・トリュフォー監督

突然炎のごとく』1961

アップリンク京都

 

『突然炎のごとく』1961/106分/フランス/モノクロ/フランスコープ

「『突然炎のごとく』は生と死への賛歌であり、カップル以外にはいかなる愛の組み合わせも不可能であることを歓びと哀しみを通じて表明した作品である」(トリュフォー)

トリュフォーが敬愛してやまないアンリ゠ピエール・ロシェの半自伝的小説を翻案した、どこか宿命論的な三角関係の物語。

何ものにも囚われない自由なヒロインを、ジャンヌ・モローがこのうえなく魅力的に演じている。国内外で高く評価されただけでなく世界的にヒットし、今や映画史上の古典としての地位を確立した作品。

(↑「生誕90周年上映【フランソワ・トリュフォーの冒険】」公式サイトより)

トリュフォー監督の長編3作目

トリュフォーがロシェの小説を読んだのは21歳のときだが、映画化する決心をしたのはエドガー・G・ウルマー監督の西部劇『裸の夜明け』を見たときだという。

カトリーヌが歌うシャンソン『つむじ風』(仏語:Le Tourbillon)は、撮影中にボリス・バシアクがモローのために遊びでつくったもの。それを聞いたトリュフォーが即興で映画に取り入れた。

ジャンヌ・モロー演じるカトリーヌの奔放で開放的なキャラクターは多くの女性から共感を得た。トリュフォーのもとには「カトリーヌはわたしです」という内容の手紙が世界中から届いたという。特に当時女性解放運動が活発化しつつあったアメリカとイギリスでは、フランス映画としては異例のヒットを記録した。ただし、トリュフォー自身は、本作が「女性映画」のレッテルを貼られて政治的な文脈で評価されることや、登場人物と自分とを短絡的に結びつける自己愛的な映画の見方に対して否定的である。

ジャン=リュック・ゴダールは本作に刺激されて『気狂いピエロ』をつくったという。

クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』に“Don’t fucking Jimmy me, Jules”というセリフがある(本作の英題“Jules and Jim(ジュールとジム)”を意識している)

ジャン=ピエール・ジュネ監督の『アメリ』において、本作の2つのシーンが引用されている。

キャメロン・クロウ監督の『バニラ・スカイ』において何度も本作がリファレンスされている。

(↑ウィキペディアより)

撮影期間:1961年4月10日〜6月3日(52日間)、撮影場所:パリ周辺、アルザス地方および南仏サンポール・ド・ヴァンス

パリ公開:1962年1月23日、日本公開:1964年2月1日(東京・スカラ座)

(↑『フランソワ・トリュフォー映画読本』より)

 

原題

Jules et Jim

 

あらすじ

第一次大戦前後の仏・墺・独を舞台に、ボヘミアン的生活様式と芸術愛好を共有する親友同士のジュール(オスカー・ウェルナー)とジム(アンリ・セール)が、気まぐれで奔放な女カトリーヌ(ジャンヌ・モロー)と出会ったことで始まる、彼らの長きにわたる奇妙な愛情生活が描かれる。(「生誕90周年上映【フランソワ・トリュフォーの冒険】」公式サイトより)

 

感想

映画の中で、

 

男女3人集まれば、

こうなることは避け難い。

 

 

いわゆる三角関係だが、

 

本作は

三角均等?関係とでも言おうか・・・

 

 

 

純粋で一途なジュールと

モテ男のジム。

 

男二人は親友同士。

 

その絆は強い。

 

 

そしてヒロインの

 

ジャンヌ・モロー演じる

カトリーヌが

 

かなり自由奔放かつ

本能のまま、思うままに

 

ジュールとジムの間を行き来する。

 

 

 

なんなら

ふたりだけでは飽き足らず、

 

他にもチラホラ存在が。

 

 

彼らは皆、カトリーヌの虜だ。

 

 

 

3人は3人でいる時間を

とても楽しんでいる。

 

そして3人が3人を愛している。

 

 

ジュールは

カトリーヌを失うことを一番恐れているので、

彼女が他の男を愛しても構わない。

 

ただ自分のそばに居てくれれば。

 

 

しかし

ジムはジュールの様には行かない。

 

どうしても嫉妬心が

心を抉る・・・

 

 

 

全く異なる魅力的な男たちを

それぞれに愛しているカトリーヌ。

 

 

 

私個人的には

ジムの心情が一番共感するが

 

 

本作がヒットした理由として

 

カトリーヌは私とそっくりだ!

という多くの女性の共感を得たとのことで・・

 

世の中、そうなんですね。ww

 

 

カトリーヌのような人もいるだろうけど、

 

私には、ややこし過ぎて無理かな〜!

 

と、思う。

今は(先のことはわからない)・・・爆

 

 

 

恋のエチュード』(1971)も

同じくアンリ=ピエール・ロシェが原作で

男女人数逆パターンの三角関係でしたが。

 

 

 

本作はモノクロと

フランスコープの映像がとても美しく、

 

あこがれ』(1957)や

大人は判ってくれない』(1959)を

思い出させるようなシーンもあり、

 

 

とても魅力的な映画でした。

 

 

 

 

ただ、ラストが・・・・

 

 

 

なんと、以前に観た、

ストーリー・オブ・フィルム』(2022)

(だったはず・・・)

 

で、自分がまだ観ていない映画が

沢山あるのに

この映画を先に観たことにより、

 

 

そこで本作のラストシーンの一部が

紹介されていて

 

実は先にそのシーンだけ

観てしまっていて・・・泣

 

 

 

知りたくなかったけど、

知っちゃってました・・・www

 

 

もう観たからいいですが・・・

 

 

 

かなり衝撃的!!で

インパクトのある

映画史に残るようなラストなので

(好みは分かれるでしょうが)

 

ぜひ見届けてほしいですね。

 

 

 

(2022年8月28本目。本年度297本目、映画館155本目)

 

 

 

ネタバレMEMO

ジャンヌ・モロー談

(カトリーヌがセーヌ川に飛び込む)あのシーンは、ぶっつけ本番でやりました。スタントの女性がいたのですが、セーヌ川は汚れているし、夜なので照明のセッティングに時間がずいぶんかかり、そのうちにスタントの女性が怖くなったらしく、ぶるぶるふるえだして、コーヒーを飲んだりアルコールを飲んだりして落ち着かず、いざ撮影本番になったときには、酔っ払ってしまっていて、とても飛び込める状態ではなかった。もう深夜すぎ、午前一時ごろだったと思います。それでも、照明のあかりに誘われて物見高い野次馬が近くの橋に集まって「どうした、早くとびこめ!」などと叫ぶ始末。わたしも叫び返しました。「うるさいわね、やるわよ!」(笑)。そこで、わたしはとびこむことにしました。(ヤジのやりとり、中略)わたしは一気にセーヌ川にとびこんだけれど、水が汚くて、すっかりのどをやられてしまいました。(中略)(『フランソワ・トリュフォー映画読本』P118-119より)

スタッフ

監督:フランソワ・トリュフォー

原作:アンリ=ピエール・ロシェ

脚本・台詞:フランソワ・トリュフォー、ジャン・グリュオー

撮影:ラウル・クタール

記録:シュザンヌ・シフマン

編集:クローディーヌ・ブーシェ

音楽:ジョルジュ・ドルリュー

挿入歌:「つむじ風」(作詞・作曲・ギター演奏:ボリス・バシアク、歌:ジャンヌ・モロー)

美術・衣裳:フレッド・カぺル

小道具:レイモン・ルモワーニュ

ヘアメイク:シモーヌ・クナップ

助監督:ジョルジュ・ペルグラン

監督助手:ロベール・ボベール、フロランス・マルロー

撮影助手:クロード・ボーソレイユ、ジャン=ルイ・マリージュ

スチール写真:レイモン・コーシュティエ

製作主任:マルセル・ベルベール

製作:LES FILMS DU CARROSSE / SEDIF

 

キュスト

カトリーヌ:ジャンヌ・モロー

ジュール:オスカー・ウェルナー

ジム:アンリ・セール

テレーズ:マリー・デュボワ

ジルベルト:ヴァナ・ユルビノ

アルベール:ボリス・バシアク

サビーヌ:サビーヌ・オードパン

ナレーション:ミシェル・シュボール